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光ディスクは滅びぬ。1TBあたり5ドル未満の光ストレージ技術

 米Folio Photonicsは8月30日(現地時間)、多層光ディスク技術において重要なブレイクスルーを達成し、抜本的に低コストと大容量を両立させ、動的にリード/ライト可能な光ストレージディスクを開発したと発表した。製品の投入は2024年を予定している。

 特許取得済みのポリマー押出成形とフィルムベースのディスク製造プロセス、次世代素材、カスタマイズされた光ピックアップユニットを組み合わせて、大容量の光ディスクを実現するという。既存の光ディスクは片面3層までだが、同社の技術は片面8層もしくは16層のフィルムを実現し、今後さらに層を増やす計画もあるという。

 2024年投入時で1ディスクあたり1TB、これを10枚集約したカートリッジで10TBを達成する。その一方でコストに関してはHDDが1TBあたり25ドルであるのに対し、1TBあたり5ドル未満を達成できるとしている。将来的なロードマップでは1TBあたり1ドル以下を目指す。

 現在の低コストなデータアーカイブ技術としてはテープがあるが、Folio Photonicsの光ディスクはランダムアクセス性を実現できるほか、電磁パルス攻撃、サーバー攻撃から保護できるエアギャップ、100年のメディア寿命を提供する。

 特に人工知能や機械学習、ビッグデータ分析の分野では、アーカイブストレージへのアクティビティとアクセシビリティの需要が高まっているいい、光ディスクでこの需要に応えられる。

 同社によれば、現在のHDDとLTOテープのロードマップは、ユーザーのニーズと将来希望する価格帯を満たすには、技術的な進歩が不十分であるとしており、これを光ディスクで解決できるとしている。