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Anker、GaN技術を進化させ、小型化と複数充電を実現した「GaNPrime」シリーズ

735 Charger(GaNPrime 65W)

 Ankerは26日、窒化ガリウム(GaN)技術をさらに推し進め、小型化と複数デバイスへの充電を実現したフラグシップ技術「GaNPrime」を発表。これを搭載した充電器6製品を発表した。

 GaNPrimeでは、これまで1つに統合されたGaN関連の電源ICをあえて複数に分離させたのが特徴。1つの大きなICが、複数の小さなICへとなったことで、理論的には実装面積は増えてしまうものの、基板レイアウトの柔軟性が高まる。同社独自の「PCBA 3Dスタッキング技術」により立体的に空間を活用し、基板および電子部品の配置を工夫、内部スペースの無駄を省くことで小型化を実現しつつ、複数ポートの搭載を実現した。

 たとえば同社の「GaN II」技術を採用した「Nano II 65W」は約44×42×36mm(幅×奥行き×高さ)/約112gで1ポートしかなかったが、GaNPrime採用の「735 Charger(GaNPrime 65W)」は約66×38×29mm(同)/約132gでUSB Type-Cを2ポート、USB Type-Aを1ポート備えており、サイズ増を極力抑えながらマルチポート化を実現している。

 なおGaNPrimeは、たとえそれに準じた電源ICの構成や小型化技術を採用していても、複数ポートを備えたモデルにのみ与えられるブランドであり、1ポートしか備えていないモデルがこのブランドを冠することはないとしている。GaNPrimeの実現には、Infineonといった電源を開発する5社とパートナーシップを結び共同開発したとしている。

あえて電源ICを複数に分けることで基板設計の自由度を高め、独自のPCBA 3Dスタッキングにより空間効率化を実現
GaNPrimeは複数ポート搭載製品にのみ与えられるブランド

 GaNPrimeシリーズではこのほか、「ActiveShield 2.0」と呼ばれる常時温度管理システムを搭載。温度監視回数がこれまでの2倍となる35回/秒となり、温度によって出力を制限するといった動作を設けることでバッテリの寿命を最大化し、過度な温度上昇を抑える。負荷時の表面温度を77℃以下に抑える国際安全基準規格IEC 62368-1への準拠も果たしている。

 また、ダイナミックパワーディストリビューション機能を搭載し、各ポートに接続されたデバイスの必要電力を感知して、動的に変化させられるようになったことで、充電の効率も最大化したとしている。

ActiveShield 2.0で監視回数が2倍になるなど、安全性も高めた
ダイナミックパワーディストリビューションにより、デバイスに必要な電力を動的に変化させられる
GaNPrimeシリーズ

735 Charger(GaNPrime 65W)

735 Charger(GaNPrime 65W)(写真上)と737 Charger(GaNPrime 120W)(写真下)

 735 Charger(GaNPrime 65W)はUSB Type-Cを2ポート、USB Type-Aを1ポートを備えたモデル。すでに予約開始しており、一般販売開始は8月29日。価格は7,990円。

 USB Type-Cは最大65W出力、USB Type-Aは最大22.5W出力。3ポートの同時合計出力は65Wまで。

737 Charger(GaNPrime 120W)

737 Charger(GaNPrime 120W)

 「737 Charger(GaNPrime 120W)」もUSB Type-Cを2ポート、USB Type-Aを1ポートを備えたモデル。すでに予約開始しており、一般販売開始は8月29日。価格は1万2,990円。

 USB Type-C出力は最大100W、USB Type-A出力は最大22.5W、合計最大出力は120W。本体サイズは約80×43×32mm(同)、重量は約187g。

375も737もUSB Type-Cが2基、USB Type-Aが1基

747 Charger(GaNPrime 150W)

747 Charger(GaNPrime 150W)

 「747 Charger(GaNPrime 150W)」はUSB Type-Cを3基、USB Type-Aを1基備えたモデル。一般販売開始は9月中旬を予定しており、価格は1万4,990円。

 USB Type-Cの出力は最大100W、USB Type-Aの出力は最大22.5W、合計最大出力は150W。本体サイズは約68×61×31mm(同)、重量は約232g。

733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)

733 Power Bank(GaNPrime PowerCore 65W)

 「733 Power Bank」は10,000mAhのバッテリと、合計出力65WのUSB ACアダプタを一体化させた充電器。モバイルバッテリとしての使用時の出力は30W。すでに予約開始をしており、一般販売開始は8月29日。価格は1万4,990円。

 USB Type-Cポートを2基、USB Type-Aポートを1基搭載。充電器として使用した際の出力はUSB Type-Cが最大65W、USB Type-Aが22.5W、合計最大出力は65W。バッテリとして使用した際の出力はUSB Type-Cが最大30W、USB Type-Aが最大22.5W、複数ポート使用時の最大出力は15W。

727 Charging Station(GaNPrime 100W)

727 Charging Station(GaNPrime 100W)

 「727 Charging Station(GaNPrime 100W)」はUSB Type-Cポートを2基、USB Type-Aポートを2基に加え、AC出力を2つ備えた電源タップ一体型のUSB充電器。すでに予約開始しており、一般販売開始は8月29日。価格は1万2,990円。

 AC出力部はプラグを挿すとポップアップするギミックを採用し、本体の厚さを18mmに抑えている。USB Type-Cの出力は最大100W、USB Type-Aの出力は1ポート利用時が最大12W、2ポート利用時が最大合計15W。本体サイズは約161×79×18mm(同)、重量は約400g。ケーブル長は約1.5mとなっている。

727 Charging Station(GaNPrime 100W)のACはプラグを挿すとベース部がポップアップし、深さ不足を補う

615 USB Power Strip(GaNPrime 65W)

615 USB Power Strip(GaNPrime 65W)

 「615 USB Power Strip(GaNPrime 65W)」はUSB Type-Cポートを1基、USB Type-Aポートを1基に加え、AC出力を1つ備えた電源タップ一体型のUSB充電器、すでに予約開始しており、一般販売開始は8月29日。価格は6,990円。

 USB Type-Cの出力は最大65W、USB Type-Aの出力は最大12W。2ポート同時利用時はUSB Type-Cが最大63W、USB Type-C+Type-Aが最大57W、全ポート同時利用時は最大62W出力となる。本体サイズは約119×59×47mm(同)、重量は約300g。

767 Portable Power Station(GaNPrime PowerHouse 2048Wh)

767 Portable Power Station(GaNPrime PowerHouse 2048Wh)

 「767 Portable Power Station(GaNPrime PowerHouse 2048Wh)」は世界初を謳うGaN搭載のポータブル電源。販売開始は2022年冬頃を予定しており、価格は未定。

 リン酸鉄リチウムイオン電池の採用で約6倍の長寿命を謳う。バッテリ容量は2,048Whで、iPhone 13なら約147回充電可能としている。出力ポートはAC出力×6、USB Type-C×3、USB Type-A×2、シガーソケット×2。

各製品の発売日と価格
このほか、「Anker 749 Charger(GaNPrime 240W)」というモデルも2022年冬の発売が予告された