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コロナ禍でゲーム障害などが1.5倍以上増加。KDDIら調べ 〜コロナ患者は5.67倍リスクあり

 KDDI株式会社は、株式会社KDDI総合研究所、株式会社国際電気通信基礎技術研究所と共同で実施した全国の20歳から69歳の男女51,043名を対象にした調査結果を発表し、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、ゲーム障害やネット依存傾向の割合が1.5倍以上増加したと明らかにした。

 発表によると。新型コロナウイルス感染症の影響で、外出自粛や観光施設の閉鎖など、家で過ごすことを強いられる状況下においては、スマートフォンの利用時間が増加したという。

利用時間の変化

 具体的には、平日のスマートフォン利用時間は7%増加し3.11時間、休日の利用時間も8%増加し3.64時間となった。その一方、スマートフォンに依存する傾向を示す人の数は0.7%とわずかに減少した。

 なかでも、依存度を示す指標の1つでもある「スマホ使用のため、予定していた仕事や勉強ができない」という項目では、中央値が0.1減少。この結果は、テレワークやオンライン授業などによるオンライン化の促進に伴って、スマートフォンが仕事や勉強などを邪魔するものから、生活における重要な存在へと立ち位置が変わったことによる影響ではないかと指摘している。

スマートフォンへ対するスタンスも変ぼうした

ゲーム障害やネット依存傾向は増加

 一方、コロナ禍において、ゲーム時間をコントロールできない、他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを優先してしまうなどの症状に代表される「ゲーム障害」や、日常生活においてインターネットの使用を優先してしまい、使う時間や方法を自分でコントロールできない「ネット依存」を示す人が1.5倍以上に増加したという。

ゲーム障害やネット依存傾向は増加

 ゲーム障害では、ゲームをプレイしていないとイライラしてしまう「離脱症状」や、高難易度のゲームや長時間のプレイを望むようになる「耐性」傾向を示す人の割合も増えた。

ゲーム障害の中核症状の「離脱症状」と「耐性」

 また、新型コロナウイルスの感染者は感染したことによるストレスなどから、ゲーム障害になるリスクが非感染者の5.67倍となるとKDDIらは指摘する。

 これらのゲーム障害は、コロナ禍の影響などの一過性のものではなく、コロナ禍収束後も持続した問題となる可能性もある。

 KDDIらは、今回の「スマホ依存、ゲーム障害、ネット依存はパンデミックなどの環境変化に大きく影響される」という調査結果をもとに、スマートフォンとの付き合い方を理解するよう啓発をしていく方針。

 また、KDDIと東京医科歯科大が共同開発し、2024年度以降の医療現場での実用化を目指す「スマホ依存」改善アプリなどにも結果を活用するとしている。