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IBM、AI推論アクセラレータを搭載したプロセッサ

Telum

 米IBMは、ディープラーニングを活用した推論のアクセラレーション機能を搭載したz15の後継プロセッサ「Telum」を発表した。搭載システム「IBM Z」、「IBM LinuxONE」などは2022年前半に登場する予定。

 トランザクション実行中にAI推論が可能なオンチップアクセラレーション機能を搭載した同社初のプロセッサで、開発に3年を要した。

 現在、銀行、金融、商取引、保険分野において、不正が分かった後にAIを利用した検出技術を適用しているが、時間や計算能力を大量に消費してしまう可能性があった。また、レイテンシによってリアルタイムで複雑な不正検出もできない。AIアクセラレータの搭載によりこれらの問題を解消できるとしている。

 CPUコアは8基で、スーパースカラー、アウトオブオーダー命令のパイプラインを搭載し、5GHz以上のクロックで動作するという。1コアあたりのプライベートキャッシュは32MBで、256MBの仮想L3キャッシュと2GBのL4キャッシュと通信可能。AIアクセラレータによりチップあたり6TFLOPSの処理性能を実現したとしている。

 AMDのチップレットと同様にスケーラブルな構成となっており、最大で32チップまで拡張可能としている。2チップモジュールデザインの場合、220億トランジスタと19マイルにおよぶワイヤーを、17メタルレイヤーに集約したとしている。