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Microsoft EdgeでClearTypeフォントが読みやすくなる改善

WindowsのClearTypeフォントの調整機能。これまでChromium Edgeではこの設定が反映されていなかった

 Microsoftは2日(米国時間)、Microsoft EdgeのCanaryビルドで、WindowsにおけるClearTypeフォントに関するチューニングの設定を反映するようになる実装をしたと発表した。この機能をオンにするためには、edge://flagsの中のedge-enhance-text-contrastフラグを有効にする必要がある。

 Windowsでは「ClearTypeフォントの調整(ClearType テキスト チューナー)」という機能があり、ディスプレイやユーザー好みに合わせて、フォントのアンチエイリアス濃度などを設定できるようになっているが、この設定はこれまでEdgeで表示されるものには反映されなかった。

 正確には、Windows 10の初期に実装された旧Edgeでは、DirectWriteフレームワークを介してグリフを表示していたため、ClearTypeフォントのシステム設定を反映していた。しかしChromiumベースとなった新Edgeでは、テキストレンダリングパイプラインの一部(フォントの列挙、グリフ情報の取得ならびにグリフビットマップの生成)でのみDirectWriteを使用していて、テキストの整形やレウアウト、レンダリングは独自のものだ。

 特にグリフビットマップの最終的な合成は、Skiaグラフィックライブラリによって処理されており、アンチエイリアス処理されたテキストについては、Windowsで設定されたコントラストやガンマ補正に準拠していない。

 これまでの仕組みは、複数プラットフォーム間でコードを再利用できるというメリットがあるのだが、Windowsにおいてはシステムのほかのアプリケーションのテキストレンダリングの結果とは異なり、Windowsのデフォルト設定よりもわずかに薄くなっていて、特にアンチエイリアス処理が複雑なCJK(中国語、日本語、韓国語)文字では顕著だった。新たに実装された機能をオンにすると、この問題を回避できる。

有効にするためにはedge://flagsの中で手動で有効にする必要がある

 この機能、現時点ではCanary版でも手動で有効にする必要があるが、今後順次有効にしていき、Edge 92の安定版ではデフォルトでオンにするとしている。