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「Ryzen 5000シリーズ」×「GeForce RTX 30シリーズ」、ゲーミングPCに最適な組み合わせはこれだ!
2021年5月8日 09:50
品薄・価格高騰の今だから性能をシビアに見きわめたい
今や人気CPU、GPUの品薄はきわめて深刻どころか、部材費や輸送費上昇も加わって値上がり傾向すら出てきた。理想のパーツ入荷を待ち続けて機会損失するのであれば、“手に入る中で必要な性能をしっかり出せる”パーツで妥協するほうがよいと考える人もいるだろう。
そこでここでは、人気のRyzen 5 5600XとRyzen 9 5900X、GeForceのRTX 3060とRTX 3080を組み合わせた場合の性能差を検証してみたい。(TEXT:加藤勝明)
まず「3DMark」では、Fire Strike、Time Spy系テストはCPU性能がスコアに影響するが、CPU性能を加味しないPort RoyalではCPUの差は軽微どころか下位CPUが勝る場合もある点に注目。消費電力においてはビデオカードの影響が大だが、GPUは同じでもCPUをRyzen 9 5900Xにするだけで12~17%上昇する点は押さえておこう。
もしビデオカードの性能がCPUによって大きく変わらないのであれば、ムリにコア数の多いCPUを選ぶ必要はないのだ。
【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、アイドル時:OS起動10分後の値、高負荷時:3DMark-Time Spyデモモード実行中の最大値、電力計:ラトックシステム RS-WFWATTCH1
高い実力に裏付けられた人気
Ryzen 5000シリーズの中でもコア数と価格のバランスのよいRyzen 9 5900Xと、(現時点で)最安のRyzen 5 5600Xは人気の双璧と言える。
製品名 | コア数/スレッド数 | 定格/最大ブーストクロック | 3次キャッシュ | TDP | 実売価格 |
---|---|---|---|---|---|
Ryzen 9 5900X | 12C/24T | 3.7GHz/4.8GHz | 32MB×2 | 105W | 72,000円前後 |
Ryzen 5 5600X | 6C/12T | 3.7GHz/4.6GHz | 32MB | 65W | 40,000円前後 |
強化テク01
人気FPSで目標のフレームレートを出す組み合わせは?
RTX 30シリーズを含めた最新GPUは、軽いゲームとフルHD液晶の組み合わせであれば超高フレームレートで遊べる。リフレッシュレートの高い(240~360Hz)液晶をフル活用する人にはうれしい状況だが、誰しも360Hzのハイエンド液晶を使うわけでもない。まだ60Hz液晶や144Hz液晶を使っている人も多い。そのような人にRTX 3080のようなハイエンドGPUはオーバースペックだ。
そこでフレームレートにリミットをかけるメリットを考えてみよう。今回のCPUとGPUの組み合わせで「レインボーシックス シージ」をプレイすれば、どの環境でも144fpsに張り付きで動かすことができる(出だしの1%程度は144fpsを割る可能性もある)。
また、フレームレート無制限時(V-Sync無効)と144fps制限時の消費電力を比べると、RTX 3080環境では230W程度、RTX 3060環境では75W程度、144fps制限時のほうが低くなった。今回の検証では144fpsを出すならRyzen 5 5600X+GeForce RTX 3060で十分になる。
ただし、同じようなコア数のCPUなら何でもよいというわけではない。フルパワーでも速いCPUをほどほどに絞って使うから快適という側面もあるため、CPUランクの落とし過ぎもよくない。
【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、レインボーシックス シージ:内蔵ベンチマーク機能で測定、消費電力:レインボーシックス シージ内蔵ベンチマーク実行時の最大値、電力計:ラトックシステム RS-WFWATTCH1
強化テク02
レイトレーシング対応ゲームもDLSSがあれば余裕?
「サイバーパンク2077」など最新ゲームに使われているDXR(DirectX Raytracing)は描画負荷がきわめて大きいため、高解像度&高画質プレイにはハイエンドGPUが欠かせない。しかしRTX 30シリーズの「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を使うことで、GPU負荷を劇的に減らすことができる。
最新のDLSS2.0では「バランス」~「ウルトラパフォーマンス」のように画質を設定できるが、これはGPUが最初にレンダリングする“内部解像度”に直結する。「パフォーマンス」なら縦横50%(4KならフルHD)、「高画質」なら縦横66%で描画し、AIを利用して画面解像度にスケールアップする。フルHDではジャギー状の荒れが出る場合もあるが、解像度を上げるほどに差異は小さくなる。
今回はフルHD環境でのみ計測したが、DLSS“パフォーマンス”を利用することでレイトレーシング設定最大でも平均60fpsでプレイ可能になる。そしてRyzen 5000シリーズであればCPUのコア数はあまり重要でない点も分かるだろう。このゲームにおいて重要なのはGPUパワーなのだ。
【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、検証方法:マップ上の一定のコースを移動する際のフレームレートを「CapFrameX」で計測
強化テク03
重量級ゲームを4Kで遊ぶには
描画負荷がきわめて重い「アサシン クリード ヴァルハラ」(ACV)の場合はどうだろうか? 今回は画質“最高”設定をフルHDと4Kの二通りを用意し、濃厚な描画をいかに高画質で楽しむかという観点で検証する。
結果を見るとどちらの解像度においても、RTX 3060よりもRTX 3080のほうが圧倒的なフレームレートを出しているが、Ryzen 5 5600XとRyzen 9 5900Xの間には誤差以上の差は出ていない。ACVではGPUスペックが最重要で、CPUのコア数は物理6コア以上であれば二の次であることが示されている。
改めてRyzen 5 5600Xのゲーミングにおける費用対効果のすごさを確認できた。RTX 3060は原稿執筆時点(3月下旬)で唯一Resizable BARに対応したGPUだが、GPU性能を覆すだけの力はない。
本校執筆時点には間に合わなかったが、まもなくRTX 3080にもResizable BAR対応のvBIOSが配布される予定だ。RTX 3060のResizable BARとACVはあまりフレームレート向上に貢献しなかったが、メモリ帯域の広いRTX 3080では劇的に変わる可能性も残されている。今後の検証を待ちたい。
【検証環境】マザーボード:GIGA-BYTE X570 AORUS MASTER(rev. 1.0)(AMD X570)、メモリ:G.Skill F4-3200C16D-32GTZRX(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB×2)×2、SSD:GIGA-BYTE GP-ASM2NE6200TTTD[M.2(PCI Express 4.0 x4)、2TB]、電源:Super Flower Computer Leadex Platinum 2000W(2,000W、80PLUS Platinum)、OS:Windows 10 Pro 64bit版、検証方法:内蔵ベンチマーク機能を使用して測定
DOS/V POWER REPORT 2021年春号では「知らないあなたは損してる! 自作力強化テク21」と題した特集を掲載しています。毎月のように発売される新製品、進化を続けるパーツを最大限に使いこなすための設定やチューニングテクニックをまとめました。このほか春号にはクラス別に最強ビデオカードを探る一斉比較や、初心者向けの自作入門小冊子も付いていて、この春の自作PCがすべて分かる1冊に仕上がっています。