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Armのサーバー向けCPU「Neoverse」に新しい「V1」と「N2」

 Armは28日、データセンター向けCPUのIP「Neoverse V1」および「Neoverse N2」を発表した。

 これらはサーバー向けプロセッサ「Neoverse」シリーズの新IPデザイン(半導体の設計図)。Vシリーズはハイパフォーマンス向け、Nシリーズはネットワーク機器向けという位置付けになっている。

 Neoverse V1は、ハイパフォーマンス・コンピューティングや機械学習などCPU性能や帯域幅への依存度が高いアプリケーション向けに提供される。アーキテクチャは従来のArmv8だが、AArch64命令セットのベクタ拡張(Scalable Vector Extension、SVE)を採用することで、柔軟なSoC設計と演算リソースの確保が可能になるとしている。

 プロファイルは高性能CPU向けのAプロファイル(Armv8-A)。Armv8.2で利用できた全ての機能を継承しながら、Armv8.3~8.6までの複数の機能を実装している。Neoverseの初期IP「Neoverse N1」と比べて高負荷時のワークロードで50%、ベクタ演算ワークロードで1.8倍、機械学習ワークロードで4倍の性能向上をそれぞれ達成したという。

 Neoverse N2では、エッジコンピューティングやクラウド向けに処理性能やセキュリティの向上、電力消費の効率化を図った。3月に発表された最新アーキテクチャのArmv9を初めて採用しており、消費電力や面積効率はNeoverse N1と同水準を維持しながら、シングルスレッド性能を40%向上させている。

 プロファイルは高性能CPU向けのAプロファイル(Armv9.0-A)。Armv8.4~8.6までの機能に加えて、Armv9で利用になったSVE2などの機能が利用できる。

 両者に関連して、システムIPの新製品「Neoverse CMN-700」も同時発表している。これはSoCのインターコネクト(内部機構)を提供するもので、Neoverse V1/N2と組み合わせて利用することによって、1ダイあたりのCPUコアやキャッシュを増やした設計が可能になるとしている。