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液体窒素並みの低温でHPCの消費電力性能を25倍に。DARPAが技術開発プログラムを発表

 米国国防高等研究計画局(DARPA)は8日(現地時間)、HPC(High Performance Computing)における低消費電力/高性能化を目指すプログラム「Low Temperature Logic Technology Program(LTLT)」を発表した。

 液体窒素に近い77Kほどで機器を動作させることで、消費電力あたりの性能を劇的に向上させるのが狙い。デバイスの温度を下げることで性能の向上が図れる一方で、VLSIへの適用には課題がある。LTLTでは、最先端VLSIの改良などでこれを克服し、SRAMセルやシステム設計といったHPCに必要な基本要素を含めた研究開発を目指す。

 低温トランジスタ、低温環境でスイッチング電力を大幅に抑えるSRAMセル、およびそれらを支える回路やシステム設計を統合する技術により、77Kの環境/低電圧で動作するデバイスおよび回路技術として、室温で動作する最先端のものと比べて25倍の消費電力性能を実現できるとしている。

 また先進的な研究コンセプトとして、新たなスイッチング機構や輸送機構をもつ超低電力で高速なスケールドトランジスタや、小型で高速/低電力なSRAMセルの開発、新たなLTLTトランジスタとメモリセルによる45倍の消費電力性能の実現なども課題として設定している。