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Chromebookにコピペが捗るクリップボード履歴機能など、Chrome OS M89登場

 Googleは、Chromebook用OSの最新版「Chrome OS M89」の提供を開始する。

 Chromebookは近年大きくシェアを伸ばしており、国内でもGIGAスクール構想の後押しなどで存在感が増している。また、最近ではローエンドモデルだけでなく、ハイエンドモデルの投入も増えてきており、HPが昨年末に発売したLTE対応の「HP Chromebook x360 13c」などが記憶に新しい。ASUSも着脱式の新Chromebook「CM3」を展開する予定だ。

 Chrome OS M89の新機能はいくつかあり、今回は作業効率を高めてくれるものが目立つ。その1つの「Phone Hub」は、ユーザーが使用しているAndroidスマートフォンの主要機能などについて、Chromebookからアクセス可能にするというもの。たとえば、テザリングやマナーモードの設定、Webブラウザ(Chrome)で閲覧していたタブの表示などが行なえる。

 次に、「Nearby Share」は、ChromebookやAndroidデバイス間で、写真のシェアやファイルのやりとりを簡単に行なえるようにする機能で、メールなどを使わずにファイルを他者に送ったりすることができる。プライバシー対策のために、自分に対して誰がファイルを送れるようにするかといった制限を設けることも可能だ。

 また、Wi-Fiのパスワードの同期機能である「Wi-Fi Sync」を拡張。Wi-Fi SyncはChromebookでWi-Fiを利用するさいに、Googleアカウントのキーチェーン情報を利用して、別のChromebookでのログイン時のパスワード入力を不要にするが、これがAndroidスマートフォンなどにも対応する。

 そして、クイック設定もしくはショートカットにて「Screen Capture」機能を利用可能に。画面のキャプチャだけでなく、録画も行なえる。

 さらに「Tote」という機能があり、キャプチャした画像やダウンロードしたファイルなど、最近使用したファイルに即座にアクセス可能となった。頻繁に扱うファイルをピン留めしておくこともでき、ファイルを探して開く手間を省けるといった特徴がある。

 「Clipboard」も新しくなり、クリップボードにコピーした最新のデータ(テキスト/画像/ファイルなど)を5つまで保存できるため、アプリ間を行き来してコピー&ペーストを行なうという手間を減らすことができる。

 ウィンドウを管理する「Desks」も改良し、さらに多くのデスクを作れるようになったほか、各ウィンドウを一覧表示するオーバービュー状態でデスクの整理もできるようになっている。

 このほか、「Quick Answers」では、Webブラウザに表示されている特定単語などを右クリックすることで、意味を調べたり、翻訳したり、単位換算などができ、わざわざコピー&ペーストして調べる必要がなくなる。文章を選択して読み上げる機能において、読み上げ速度の調整が行なえるようにもなっており、次のセクションの指定も楽になっている。

Chromebookは今年の6月で10周年を迎える