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持続可能で高生産性なテレワークを実現する新「ThinkPad」シリーズ
2020年5月26日 16:57
レノボ・ジャパン合同会社は26日、ノートPC「ThinkPad」シリーズの新製品を多数発表した。
製品の詳細については既報(レノボ、14型高性能モバイルノート「ThinkPad X1 Carbon/Yoga」の新モデル、レノボ、13.3型モバイルノート「ThinkPad X13/X13 Yoga Gen 1」およびレノボ、第10世代Core/Ryzen PRO 4000シリーズ搭載の14型/15.6型ノート)を参照されたい。本記事では同日に開催された新製品発表会の内容についてお伝えする。
大きな転換点を迎えた働き方とそれを支えるThinkPad
まず同社 執行役員副社長の安田稔氏より、法人向け事業に関するアップデートと事業戦略について説明が行なわれた。
同社では、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、多くの企業がテレワークやオンライン上での商談などを実施するなかで、働き方が大きく変化する転換点を迎えていると分析。緊急事態宣言の解除によって多少の揺り戻しは想定されるものの、従来のように固定された場所で働くのではなく、Microsoft Teamsなどのリモートコラボレーションやクラウドサービスを生かした、場所を問わない柔軟な働き方に変革していく流れが進むだろうと述べた。
日本市場を対象として同社が行なった調査によれば、80%の人が同感染症の収束後もテレワーク制度が継続することを期待すると回答しており、働き方で企業が選ばれる時代に突入しているとも分析。自社内でも現在全面的なテレワークを実施中で、本社では98%の従業員が在宅勤務をしており、こういった経験を生かした製品提案をしていきたいとした。
こういった働き方の変化を支援することを目的とした事業方針として、ThinkPadを筆頭とする生産性を低下させず持続可能なテレワークを実現する機器「Smarter Devices」、さまざまな場所で分散して働けるThink Smarterなどのソリューション「Smarter Solution」、自社の経験値をもとに新たな働き方を紹介する「Smarter Knowledge」の3つを挙げた。
初代ThinkPadから現在まで、「オフィスから仕事を開放するためのツールを提供する」という考え方は一貫しており、ノートPCはテレワークの実現に重要なツールであるという。今回発表されたThinkPadシリーズでは、モバイルワーカー向けからインターナルワーカー向けまで、幅広いラインナップを用意。なかでも現在需要の高まっているハイブリッドテレワーカーに向けた製品を中心に展開しており、加えて新たなキーボードとモバイルディスプレイも発表した。
また、在宅勤務での環境構築に焦点を絞った「テレワーク環境ガイド」の無償公開を開始。持続可能で快適かつ生産性の高いテレワークを自宅で実現するためのノウハウをまとめたものとなっている。
自宅でのテレワークに適したThinkPad Lシリーズ
続いて発表製品の詳細について、同社 コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 モバイル製品担当の吉原敦子氏より説明が行なわれた。
ThinkPadシリーズは、ユーザーの不満を解決し、成功をサポートするデバイスとして設計・開発を進めており、2020年モデルでは製品名を一新しているが、引き続き働き方にあわせた製品を提供していくという。
2020年モデルではシリーズ全体を通して、Wi-Fi 6への標準対応やThinkPad X1/X/TシリーズでのLTE CAT.16のサポートなど、ネットワーク周りが強化された。加えてEシリーズ以外では、オプションでLTEモデムが選択可能となっている。テレワークではネットワークの通信品質や安定性向上は欠かせないものとなっており、より快適に業務が行なえるようになるとする。
また、ビデオ会議の機会が増加した一方で、ソフトウェア上での着信への応答や通話の終了などに慣れていないユーザーもおり、応答がうまくできなかったり通話を切り忘れてしまうなど、操作を誤ってしまう場合も少なくないという。こういった問題を解消すべく、ファンクションキー上にアクションセンター/着信応答/通話終了のコラボレーション専用キーを用意。物理的なボタンで操作できるよう改善した。
音声周りでは、X1シリーズがDolby Atmosスピーカーシステム、X/TシリーズがDolby Audioスピーカーシステム、LシリーズがDolby Audioにそれぞれ対応。内蔵マイクは従来から引き続き360度集音機能を標準でサポートしている。
新型コロナウイルス感染症が広がる以前は、薄型軽量でどこでも持ち運べるものがテレワーク向けPCとして利用される場合が多かった。しかし、今の状況で求められているのは「在宅勤務用」のテレワークPCで、適度に薄型軽量で導入しやすい価格帯の製品が求められているという。
今回発表された「ThinkPad L14 Gen 1」はこの用途を想定した製品にあたる。厚みが約20mm、重量が約1.59kgの14型の筐体を採用したノートPCで、USB 3.1 Type-CやUSB 3.0 Type-A、Gigabit Ethernet、HDMIなどさまざまなインターフェイスを装備。従来のThinkPad L490と比べて、狭額縁化したことでフットプリントを若干縮小したほか、天板の塗装を指紋のつきにくいスムーズな手触りのものに変更している。
そのほか同社ではAMD CPUを搭載したモデルも用意してきたが、こちらも対象シリーズを拡大。2019年はX/Tシリーズだけだったが、新たにLシリーズにもAMDモデルを展開する。
PCだけでなく周辺機器も含めたテレワーク環境作り
また、テレワークには周辺機器も欠かせないとしており、外付けの無線キーボードとして「ThinkPadトラックポイントキーボードII」、14型モバイルディスプレイとして「ThinkVision M14t」を発表。前者は従来モデルから7年ぶりとなる新モデルで、Bluetooth 5.0(Swift Pair対応)やUSB Type-Cポート(充電専用)などを備えるなど、改良が図られている。
後者は2019年に発売された「ThinkVision M14」のタッチ対応モデルとなり、Active Penによる最大4,096段階筆圧検知が可能なペン入力も可能となっている。なお、こちらは参考出展となっており、発売日などは未定としている。
そのほか、さまざまなヘッドセットやBluetooth接続のスピーカーマイク、Microsoft Teams専用端末のThinkSmart Viewなども紹介。テレワーク用のPCにテンキーがついておらず使いづらいといったユーザーも少なくないようで、USB接続のテンキーなども需要が増しているという。