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株式会社東芝は15日、インターネット閲覧にフォーカスしたデバイス「WILLCOM NS」を製品化したと発表した。株式会社ウィルコムがこれを24日より発売する。価格はオープンプライス。
通話機能は搭載せず、月額費用は新規契約の場合、新つなぎ放題(3,880円)にW-VALUE割引を適用して980円。端末代は分割払いの場合、頭金4,800円で2,000円×24回払いとなる。
インターネット閲覧に特化したいわゆるMIDにカテゴライズされる製品。Windows CE 5.0をベースに、ウィジェット風に各種アプリケーションを使えるプラットフォーム「jiglet」と、Webブラウザの「NetFront」を搭載した。
特徴的な機能として、10件までの登録サイトを深夜(午前1時~5時)に自動更新して、オフライン閲覧を可能にする「オートパイロット」機能と、携帯電話と同じように閲覧中のページを保存する「画面メモ」機能を搭載した。
深夜に自動更新するオートパイロット機能 | ケータイ電話と同じように画像メモを取得できる | 文字入力はソフトウェアキーボードで行なう |
液晶は480×800ドット(WVGA)表示対応の4.1型感圧式タッチパネルを搭載。ユーザーメモリは325MB。16GBまで対応のmicroSDHCスロットを備える。NetFrontはFlash Lite 3.1、SSL、JavaScriptに対応する。文字入力システムはMS-IME。
インターフェイスはUSB、IEEE 802.11b/g対応無線LAN、ヘッドフォン出力を備える。モノラルスピーカーを搭載。本体サイズは80×174×11mm(幅×奥行き×高さ)、重量は160g(W-SIMを除く)。バッテリ駆動時間はW-SIM利用時で約6時間、Wi-Fi利用時で約4時間。
手帳に挟み込むためのリフィルアダプター(バイブルサイズ)とスタイラスが付属する。
手帳に取り付けるアダプタを取り外したところ | 底面 | 左側面 |
天面にUSBとヘッドフォン出力を装備 | 右側面にW-SIMスロットを装備 |
背面にはモノラルスピーカを搭載 | microSDHCカードスロットはバッテリを取り外してアクセスする |
発表会ではまず、ウィルコム ブランド&プロダクト企画部 部長 石川俊司氏が登場。
Willcom NSのコンセプトについて、「現在は携帯電話やPHSを持ち歩くと、これでだいたいの用は済ますことができる。しかしこれとは別に、使い慣れた物や目的に特化した物を持ち歩くことがある。今回は情報を持ち歩く道具に注目した。そういったあり方に適した道具、使い方や利用シーンを列挙し、切り出した。そうして文房具のようにネットワーク持ち歩ける端末としてWILLCOM NSを開発した。そして、既存の文房具のアナログ的良さを組み合わせるように、システム手帳にセットして使っていただくことを想定した」と説明した。
なお、製品名のNSはNetwork Stationaryから採ったものという。
ウィルコム 石川俊司氏 | 使い方や利用シーンを厳選して切り出したのがWILLCOM NS | システム手帳にセットして使うことを想定 |
次いで、登場した東芝 モバイルコミュニケーション社統括技師長 湯嶋彰氏は、モバイルインターネットに対するニーズが高まっており、「その新カテゴリ、モバイルインターネットデバイスの一号機がWILLCOM NSである」と語る。
その開発経緯については、欲しい情報を直ぐに引き出せる端末をコンセプトに、外出先でPCと同じように活用できること、長時間使えること、持ち運べることなどニーズとして設定。これらに対し、4.1型WVGA液晶、1,530mAhの大容量バッテリ、薄さ11mmの筐体などを実現し、インターネットに特化したという。
そうした端末をいつでも気軽に使えるものとするため、サスペンド/レジュームによる高速な起動や画面メモ、オートパイロットやRSSによる自動的な情報の更新、ウィルコムの定額で低廉な料金を組み合わせ、ユーザーのニーズにマッチするものにした。
ほか、手帳との組み合わせについては、「手帳自体の売上はさがっているが、高価なシステム手帳は伸びている。これをMIDの高まりと合わせ、アナログとデジタルを組み合わせるNSを開発した」と説明した。
今後の展開については、CESでNetwork Stationaryとして5つの製品を公開していたが、これらを順次製品化していくことを考えている、とコメントした
東芝 湯嶋彰氏 | 新カテゴリ端末一号機がWILLCOM NS |
モバイルインターネットへ特化 | いつでも気軽に使えるように配慮した |
(2009年 4月 15日)
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