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Intel、「Killer NIC」で知られるRivet Networksを買収

 Intelは20日(現地時間)、「Killer」ブランドのネットワークコントローラの開発で知られるRivet Networksを買収したと発表した。買収額は明らかにされていない。

 Rivet NetworksはもともとBigfoot Networksという会社であり、2006年にゲーマー向けを謳うGigabit Ethernetカード「Killer NIC」を投入した。Killer NICにはFreescale製のPowerPCベースのプロセッサが搭載されていて、多くのネットワーク処理をオフロード処理できるため、CPU負荷の低減に一役買うことができる。当時ネットワークゲームをプレイするゲーマーのあいだで話題となった。

 その後、CPUのマルチコア化といった性能向上によって、Killer NICの存在意義は薄れ、同社はQualcomm Atherosに買収され、社名がRivet Networksとなった。このさいに投入したネットワークプロセッサ自体も大幅に簡略化され、実態はアプリごとにネットワークパケットに優先順位をつけ、ゲームの通信を優先させることでレイテンシを削減するソフトウェアへと移行した。

 そしてゲーミングノートが市場を席巻し、IEEE 802.11acによる高速無線LANが主流になると、同社は無線LANネットワークコントローラも投入する。このさいにIntelと協業をはじめたようで、「Killer Wireless-AC 1550」は、紛れもなくIntelの9260NGWをベースとしたモデルであった。一時期、Intelドライバのダウンロードセンターにも、Killer Wireless用のドライバが用意された(現在は削除されている)。

 今回IntelはついにそのRivet Networksを買収し、クライアントコンピューティンググループのうちの無線ソリューショングループのなかに統合する。Killerブランドが残されるほか、Rivetが保有するソフトウェアなどを顧客やパートナーにライセンスするようになる。さらに買収によりWi-Fiのポートフォリオを拡張するとしている。

最新のWi-Fi 6対応「Killer 1650x」。ラベルにあるとおり、IntelのAX200NGWをベースとしている