NTT東とIPA、無償で即座に利用できるVPN+リモートデスクトップ環境

　東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は、契約やユーザー登録が不要ですぐに利用できる無償のVPN+リモートデスクトップ環境を実現するサービス「シン・テレワークシステム」を本日より提供開始した。10月31日まで無償で利用できる。

　これは新型コロナウイルス対策としての政府の緊急事態宣言や、在宅勤務の社会的要請を受け、迅速に開発したもの。ソフトウェアを職場や大学などのPCにインストールするだけで、自宅のPCからVPNで接続し、リモートで利用可能になる。

　特徴としては、グローバルIPやルーター/ファイアウォールの設定が一切不要なほか、一般的な企業で導入されているHTTPプロキシ型ファイアウォールにも対応。フレッツ回線のみならず、各種インターネット回線で利用可能としている。すべての通信がSSLにより強力に暗号化されるとしている。

　これまでのシンクライアントやVPNなどのテレワークシステムは、ユーザー登録や契約、課金などの事務手続きに時間がかかるため、新型コロナウイルスの急速な感染拡大でシステムを整備できない大学や企業が増えている。今回のシステムはこの問題を解決するものとなる。

　システムは、NTT東日本 新型コロナウイルス対策プロジェクト 特殊局(仮設)、IPA産業サイバーセキュリティセンター サイバー技術研究室が共同で構築し、筑波大学OPENプロジェクト、KADOKAWA Connected、ソフトイーサなど複数組織の連携協力により実現。これまで研究、開発、整備されてきた各種ソフトウェア技術や通信用インフラを1つに統合し、緊急的に構築したものであるため、無保証かつ非営利で一時的に開放されるものとなっている。