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富士通とQualcomm、Sub-6/ミリ波対応5Gスマホのリファレンスデザインを開発

~モデムなどをモジュール化するSnapdragon 865 5G Modular Platform採用

開発されたリファレンスデザイン

 富士通コネクテッドテクノロジーズ(FCNT)は米Qualcommと共同で、Sub-6およびミリ波をサポートする5G対応スマートフォンのリファレンスデザインを開発した。

 開発されたリファレンスデザインでは、Qualcommがプロセッサや5Gモデム、RFフロントエンドなどまとめて基板化しメーカーに提供するSnapdragon 865 5G Modular Platformを採用。3次元実装を用いた基板埋め込み技術により、部品を個別に実装するディスクリート実装と比べて実装面積を約35%、基板面積を約20%削減し、筐体の厚みを7.6mmに抑えている。

基板図
ハイブリッド筐体とアンテナ部

 3Gや4Gと比較して波長が非常に短いミリ波を扱うアンテナ設計では、ノイズ干渉の抑制やマイクロメートル単位の精密な設計が求められるため、低誘電基板の採用によって信号品質を確保するとともに、アンテナ接続用フレキを使用して配置の自由度を高めた。ミリ波アンテナモジュールは両側面と上面に計3基備えるほか、金属と樹脂を組みあわせたハイブリッド筐体を採用により金属による電波干渉を抑えている。

ベイパーチャンバー機構
ベイパーチャンバーなし/あり時の熱と性能の比較

 また放熱機構として、従来の機種でも用いられていたグラファイトシートに加えて、新たにベイパーチャンバーを搭載。ベイパーチャンバーを筐体と一体化させることで、放熱効果の向上と筐体の薄型化を両立させた。

 FCNT初の5G対応スマートフォンとなる「arrows 5G」はこのリファレンスデザインをベースに開発されたほか、使用されている各種要素技術はスマートフォン以外のさまざまな分野へ応用が可能だとしている。