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シャープ、マスク生産を事業化へ。欧米、インド、中国でもマスク生産を開始
2020年4月1日 19:50
シャープの戴正呉会長兼社長は、2020年3月31日から日本で出荷を開始したマスクについて、今後、同社の事業の1つと位置づけ、これを足掛かりに健康関連分野に進出する考えを示した。
2020年4月1日、社内イントラネットを利用して、社員に配信した社長メッセージのなかで言及した。
マスクの生産については、すでに米国においても生産を開始しはじめたことを示したほか、さらに欧州やインド、中国においても近々生産開始できる見通しを明らかにした。
それぞれの地域での生産規模や生産開始時期については明らかにしていないが、欧州ではポーランドの工場で生産する予定だという。戴会長兼社長は、「マスクは社会貢献を目的に生産を開始したものであるが、これは長期にわたって継続できる事業にもなるものと考えている。マスクは、異業種分野において、極めて速いスピードで、生産を立ち上げた一例となる。今後、マスクにとどまらず、健康関連分野へと事業の幅を広げていきたいと考えている」と述べた。
シャープは、日本政府からの要請を受けて、3月24日から液晶ディスプレイの生産を行なっている三重県多気町の三重工場で、クリーンルームを活用した「不織布マスク」の生産を開始。3月31日に、政府向けに出荷を開始したところ。生産量は1日あたり15万枚で、将来的に50万枚への増産を目指す計画だ。
シャープの戴会長兼社長は、「シャープは、グローバル企業として、世のなかに役立ち、ためになることを、しっかりと行ない、日頃の恩に報いたいという考えから、日本政府の要請を受けて、2月28日にマスクの生産を決定し、3月24日から三重工場で生産を開始した。今後も、日本企業として、政府との連携をより密にし、日本社会の安心、安全に貢献していきたい」と述べている。
戴会長兼社長は、シャープの経営戦略の1つとして、「4象限経営」を打ち出し、既存事業を維持および強化する一方、商品のアップグレード、市場のエクスパンション(拡大)とともに、新規事業の創出を重要な柱に掲げている。今回のマスク生産については、4象限経営の実践において、新規事業を短期間で立ち上げた好例と位置づけている。