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スマホからPCに移り変わるミレニアル世代以降を狙った日本HPの新ノート
2019年12月4日 19:22
株式会社日本HPは4日、個人向け個人向け13.3型2in1「Spectre x360 13」および「ENVY x360 13 Wood Edition」、15.6型「ENVY x360 15 Wood Edition」を発売した。
各製品の詳細については関連記事(日本HP、Ice Lake/4K有機EL搭載の13.3型2in1「Spectre x360 13」)を参照していただきたいが、本記事では同日に行なわれた製品発表会の模様をお伝えする。
今回の新製品発表会は、ファッションブランド「バーニーズ ニューヨーク」の銀座本店3Fにあるカフェで行なわれた。同ブランドが入居する「交詢ビル」は、福沢諭吉氏が1880年に提唱して結成された日本最初の実業家社交クラブ「交詢社」も入居する、由緒ある場所だ。
日本HPは今回バーニーズ ニューヨークとコラボし、1月7日より銀座本店の店頭で上記の新製品を展示する予定。工業製品、事務製品、単なる工具であるはずのPCが、銀座のファッション店頭で並ぶ日が来るとはなかなか感慨深いが、それほど日本HPは製品のデザインに対して自信を持っているということだ。
ミレニアル世代を狙うからこそこだわった新製品のデザイン
発表会の冒頭では、同社 専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の九嶋俊一氏が挨拶。2019年を振り返り、「PC市場自体が好調だったが、HPは8期連続で業界平均を上回る成長率を遂げてきた」とアピール。そしてその牽引役こそが、「Spectre」および「ENVY」の2大プレミアムシリーズであるとした。
その背景には、23歳~28歳前後のミレニアル世代、そして22歳未満のZ世代の「スマホからPCへの回帰」を挙げた。その理由として、写真や動画といったコンテンツをクリエーションしている割合が高く、(スマホより)大画面で動画コンテンツ視聴をしたいニーズがあり、他人とのコミュニケーションツールとしてPCを使う割合が非常に高いという。
ただ、ミレニアル世代とZ世代は、PCに性能を求めているのはもちろんのこと、個人の趣味にあったデザインのもの、新しいものへの関心が高いといった特徴があり、このニーズを反映したのがSpectreとENVYで、製品ラインナップを牽引しているとした。
製品デザインについて、米国から来日したHP パーソナルシステムズ デザイン部門 グローバル責任者のステイシー・ウルフ氏は、「デザインは消費者の興味を喚起し、差別化の中核を担い、イノベーションの中心となっている。それほどにデザインは重要だ。HPのデザインは将来のビジョンである。1~2年後だけでなく、もっと将来を見据えたときにPCのデザインがどうであるべきかを考え、それをいまに持ってくることを目標としている」と語った。
HPはこれまでレザー、アルミニウムなどの素材をPCに採用してきたが、今回は木(ウォルナット材)を「ENVY x360 13/15 Wood Edition」のパームレストへ持ち込んだ。製品各々異なる木目パターンで個性があり、なおかつタッチパッドもシームレスに実現している。「なぜ(数年前ではなく)今、木材を採用できたか」という質問について、ウルフ氏は「持続可能な供給体制や、薄くする加工技術、そして傷や液体に耐えるナノコーティング技術が確立されたから」だと答えた。
一方、Spectre x360 13は上部も狭額縁とすることで、奥行きを22.5mm小型化している。これには新開発した幅わずか2.2mmしかないWindows Hello対応カメラモジュールを採用したからだという。また、「ENVY x360 13」に、本日よりセラミックホワイト色が追加されたが、こちらは日本の陶芸品などをイメージしたもので、特殊コーティングによって実現したとしている。
使い勝手にも配慮したSpectre x360 13
最後に日本HP パーソナルシステムズ事業統括 コンシューマー事業本部 本部長の沼田綾子氏が、Spectre x360 13の特徴について解説。「Spectreシリーズはこれまで必ず“EST”を目指して製品を開発してきたが、今回は13.3型で世界最小(Smallest)を実現できた」とアピールした。
また、500kgfの耐圧試験クリア、カメラとマイクをワンタッチでオフにできるスイッチとキーなど、堅牢性やセキュリティ性にも配慮したとする。有機ELディスプレイモデルではより高いコントラスト比とDisplayHDRへの対応、直射日光下でも視認性向上、ブルーライトの削減なども実現。2020年早春には、新たに横から見ると「黒くなる」プライバシーモード(HP Sure View)機能搭載液晶モデルを提供するとした。
LTE対応モデルには、DSI mobileが提供する最大3カ月無料/7GBまで使用できるのSIMカードがもれなく付属し、LTEの利便性をすぐに体験できるようにするといった配慮もなされている。