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Synology、UI改善/速度向上のNAS用新OS「DSM 7.0」を年内β提供
2019年10月15日 17:52
Synologyは10月15日、都内にてメディア向け発表会「Synology 2020 Tokyo」を開催。同社のNAS用に提供しているOS「DiskStation Manager(DSM)」の最新バージョンとなるDSM 7.0の詳細が語られたほか、法人向け新製品の説明などが行なわれた。
Synologyは現在DSM 6.2を提供しているが、その後継であるDSM 7.0のβ版を年末までに、正式版を2020年の第1四半期中に提供する予定となっている。DSM 7.0はDSM 6.xを基礎として開発するのではなく、ゼロから設計し直すことで大きな変革を遂げている。
とくにUIといった使い勝手を含めたユーザーエクスペリエンス(体験)は大きく改善が進み、Webブラウザでのログインからデスクトップが表示されるまでの時間が大幅に短縮された。また、デスクトップに表示されている各種アプリはクリックから開けるが、これをカーソルを合わせた時点で、バックグラウンドで前もって読み込みを行ない、起動時間を早める仕様へと変更し、応答性を高めている。
これまでもSSDキャッシュが可能なモデルはあり、高速化はできたが、ファイルベースでのキャッシュだったため無駄があった。DSM 7.0ではこれが64KBのブロックベースに変わり、複数のパラメータから判断できるようになったため、ヒット率と速度が向上。SSDキャッシュはサービスを停止させずにマウントと解除ができ、業務を中断せずにメンテナンスが行なえるようになっている。
さらに、SSDキャッシュにメタデータが保存されるようにもなり、長期間アクセスがなかったコールドデータにアクセスするような状況でもアクセス速度が落ちにくくなっている。キャッシュ利用時もSSDの寿命を考慮して、圧縮率の高いZstandardを採用した。
このほか、リソースモニターの作り変えや、写真管理アプリのPhoto StationとMomentsが「Synology Photos」に統合され、使い勝手が向上している。
Synology Driveも3.0にバージョンアップ。外部との共有管理が細かく行なえるようになり漏洩と言った不慮の事故などを防ぐ。PCとドライブの同期を逐次行なうオンデマンド同期はバージョン2.0に変わり、同期フォルダの選択しなくてもよくなるなど、使い勝手が向上している。
なお、ハードウェアに関しては、コンシューマ向け新製品の発表はなく、エンタープライズ向けの紹介に留まっていた。