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NVIDIA、AIでハイビームを自動切り替えする技術
2019年10月11日 20:50
米NVIDIAは、機械学習で周囲の状況にあわせて自動で車のロー/ハイビームを切り替える「AutoHighBeamNet」を発表した。NVIDIA DRIVE Software 10.0でサポートされる。
夜間の走行ではハイビームが役立つが、他の車の運転手の視界に悪影響を及ぼすため、オフのままにされることが多い。
AutoHighBeamNetは、カメラからの画像入力を元に深層学習を行なったモジュール。車両前面に取り付けられた単眼カメラからの入力で動作でき、従来の周囲の光量や光源に基づいた制御より正確なライト制御が行なえるという。
モジュールでは、カメラに写った車のなかで、ヘッドライトやテールライトが点灯しているものを運転中であると判断する一方、ライトを消して路肩に駐車している車などは運転中ではないものと見なし、無視する。
モジュールは各フレームごとに検出を行ない、ポストプロセスを経て結果を出力する。出力は自動車メーカーによってカスタムが可能で、自車の速度や周辺の環境光などの条件を加味した上で実際にハイビームを制御する信号を送り出す。
ハイビームの制御を行なう信号には「Auto High Beadm(AHB)モード」と「Adaptive Driving Beam(ADB)モード」の2種類が用意されている。
AHBモードは単純で、周囲が暗い場合にハイビームをオンにし、運転中の車を検知したさいに自動的にロービームに切り替える。運転中の車がいなくなると再びハイビームに戻す。
ADBモードは新しいハイビームの制御方法。暗くなるとハイビームをオンにするところまではAHBモードと同じだが、運転中の車を検知するとその車の周囲に「Glare-Free Zone(GFZ)」を作り出す。GFZを生成すると、ライトを細かく制御してGFZに向かって照射するLEDのみを暗くする。AHBモードと違って、GFZ以外の部分はハイビームのままで維持され、運転手の視野の減少を最小限に抑える。
なお、GFZの生成は座標を用いて行なわれるため、事前に車に搭載されたライトのシステムの座標とのキャリブレーションが必要となる。