ニュース
Intel、96層QLC NANDを採用した「665p」をデモ。660pから4割性能向上
2019年9月27日 11:07
Intelは、9月26日に韓国ソウル市において同社のストレージ製品に関するイベント「Memory & Storage Day 2019」を開催し、同社のSCM(Storage Class Memory)であるOptaneなどに関する発表を行なった。
このなかでIntel 上席副社長 兼 不揮発メモリソリューションズ事業本部 事業本部長 ロブ・クローク氏は「96層3D NAND技術を採用したQLC NANDに基づいたIntel SSD 665pを次の四半期に投入する」と述べ、現在IntelがQLC NANDベースの製品として投入しているIntel SSD 660pの後継製品となるIntel SSD 665pを第4四半期に投入することを明らかにした。
会場ではIntel SSD 665pのデモが行なわれており、CrystalDiskMarkの性能比較でIntel SSD 660pよりもリード/ライトともに高速化されていることを確認できた。
144層のQLC NANDベースの製品は来年投入、96層の製品は次の四半期に製品投入
さらにIntelは、今回3D NANDに関して重要な発表を行なった。それが144層のQLC NANDに基づいたSSD製品を、2020年に投入するという計画だ。3D NANDは、3次元方向に層数を増やすことで、1つのチップで実現する容量や性能を向上させることができる。Intelが現行製品のQLC NANDで利用している3D NANDは64層だが、その倍以上の層数が2020年に実現することになる。
今回発表されたのはデータセンター向けの製品だが、当然それはクライアント向けの製品にも採用される可能性がある。
それに先立ってIntelは第4四半期(10月~12月)に、96層のQLC NANDに基づいたクライアントPC向けの新しいSSD製品となる「Intel SSD 665p」を投入すると明らかにした。Intel SSD 665pは、64層QLC NANDを採用した「Intel SSD 660p」の後継となる製品だ。
660pは、メインのストレージ部分としてはQLC NAND(64層)を採用しているが、SLC NANDキャッシュ技術により、TLC並みの性能を実現している。具体的には、2TBのSKUで280GB、1TBのSKUで140GB、512GBで55GB分の容量を、SLCキャッシュとして割り当てており、それによりTLC並の性能を実現している。
SLCキャッシュのアルゴリズムなどの改善により性能を向上させているIntel SSD 665p
Intelでは、今後クライアントPCではこのQLC NANDフラッシュを搭載した製品がメインストリームになっていくと考えているという。クローク氏は「将来的にはクライアントPCでQLCだけになっていく。なぜならば、多くのQLC製品はSLCキャッシュを備えているからだ。われわれの製品ではDynamic SLCと呼んでいる独自のアルゴリズムを搭載しており、すでにTLCのSSDと遜色ない性能を実現している」と述べた。
Intel SSD 665pの実働デモでは、そうしたDynamic SLCのアルゴリズムなどの改善や新しい96層のQLC NANDの採用により、性能が大きく向上していることをアピールしていた。
現時点ではどの程度の容量が提供されるのかなどに関しては明らかにされておらず、製品の発表を待つ必要がある。しかし、64層QLCから96層QLCでは同じ1,024bの密度にとどまっているため、容量などは660pと変わらない構成である可能性が高いのではないだろうか。
今回、144層のQLCの実働デモも行なった。Intelは144層QLC NANDを2020年にデータセンター用としてまず投入する計画を明らかにしたが、当然Intel SSD 665pの後継となるような、144層QLC NANDを搭載したクライアント向けSSD製品も計画されている可能性が高いと言えるだろう。