ニュース

トリニティ・カレッジ、単一原子による「世界最小のエンジン」で量子エネルギーを解析

 アイルランドのトリニティ・カレッジは21日(現地時間)、量子エネルギーの解明に向け“世界最小のエンジン”を制作したと発表した。

 今回制作された世界最小のエンジンは、単一のカルシウムイオンで構成されている。イオンは帯電しているため、電界を利用して簡単にトラップできる。そしてイオンには固有スピン(角運動量)があり、レーザービームを当てて熱すると、熱エネルギーを揺れまたは振動に変換する。

 この振動(揺れ)ははずみ車のように振る舞い、このエンジンから発せされるエネルギーを捕獲する。その結果が、量子力学が予測するとおり、離散的単位である「量子」に保存される。

 実験では、このはずみ車を基底状態から速く回転していく過程を観察することで、エネルギーの蓄積プロセスを評価した。研究者らはイオンの状態を把握できるので、この蓄積プロセスを正確に評価できる。

 同大学の物理学助教授であるジョン・クールド氏は、「この実験の成功と理論によって、量子理論に基づいた技術、およびエネルギー論の研究が新たな時代を迎えることができた。より高速で効率的なコンピューティングを実現する上での基本的なボトルネックの改善に向け、微視的に熱力学を理解できる重要な一歩である」と述べている。