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第3四半期NAND市場、東芝メモリ停電で600万TB相当に影響も価格下落は続く
~7月中旬にも稼働再開予定
2019年7月1日 16:45
台湾の市場調査会社TrendForce傘下のDRAMeXchangeは28日、東芝メモリの四日市工場にて発生した停電による市場への影響について、レポートを報告した。
東芝メモリ四日市工場にて、15日に13分間の停電事故が発生し、NANDフラッシュ製造ラインが稼働停止した問題で、第2~第6製造棟が影響を受け、Western Digitalでは6エクサバイト(600万TB)相当のNANDフラッシュ生産に影響が生じたと発表した。
東芝メモリは28日付けで復旧作業について報告し、7月中旬までには、ほぼ全ての装置が再稼働できるとの見通しを発表している。
TrendForceは本件の影響について、四日市工場が主要供給元となっている、特殊ストレージアプリケーション向けに出荷される2D NANDフラッシュの供給が、短期間で著しく逼迫すると予想しており、2019年第3四半期で価格が上昇するとしている。
一方で、eMMC/UFSやSSDなどの主流製品で使われる3D NANDフラッシュに関しては、在庫レベルが需要側と供給側の双方ともに高い状態にあるため、本件によって契約価格の下落が止まることはないとの見方を示している。
ただし、下落幅は第3四半期で想定よりも緩やかなものとなることが考えられ、チャネルや小売などにおいては、東芝メモリとWDの影響力を鑑みて価格が引き上げられる可能性が指摘されている。
第4四半期については、契約価格は横ばいに推移するか、わずかに低下すると予測している。