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プログラミング教育必修化前の最後の夏休み、子どものPC基礎スキル向上を目指しWDLCが取り組み
2019年6月21日 20:39
ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム(WDLC)は21日、小学校でプログラミング教育が必修化となる2020年を迎える前の最後の夏休み期間中、教育への取り組みを強化し、株式会社学研プラス、およびスズキ教育ソフトとコラボを行なうと発表した。
学研プラスとのコラボでは、夏休みに小学生らが取り組む「自由研究」をテーマに、学研キッズネットの人気コンテンツである「夏休み! 自由研究プロジェクト」と共同で「パソコン×自由研究 コンテスト2019」を開催する。
自由研究のレポートをPCを使って作ってもらうことを通して、文書・スライドの作成からファイルのコピーや保存といったPCの基礎的な操作に慣れてもらうことを目標とする。また、はじめてPCを使う、PC操作に不安がある子ども向けに、特設ページにはPowerPointの使い方解説動画やテンプレートを用意する。
開催期間は7月20日から9月8日までで、コンテストページからのデータ送付または郵送で応募できる。参加者や優秀作品には豪華賞品も用意するとしている。
一方、スズキ教育ソフトとのコラボでは、同社が学校向けに展開してるゲーム感覚のキーボード検定サイト「キーボー島アドベンチャー」を、夏休みの期間中のみ(6月21日から8月31日まで)一般家庭からでもアクセスできるようにする「キーボードマスターキャンペーン」を実施する。
一級まで勝ち進んだ子どもを対象にランキングを公開し、入力速度が速かったトップ10の子どもにはmicro:bitの教材キットをプレゼントするとしている。
micro:bitの学校展開時に気づいた理想と現実のギャップ
じつは今回このようなコラボを実施した背景には、WDLCがこれまで小学校200校向けに展開してきた「MakeCode×micro:bit 200プロジェクト」で得られたフィードバックをもとにしている。
このプロジェクトは、応募した200校に対しmicro:bitを教材として無償で提供し、各校からフィードバックを吸い上げ、その経験をプログラミング教育の今後に役立てるといったものだが、WDLC会長の梅田成二氏によると、プロジェクトを調査した東北大学大学院 情報科学研究科 堀田龍也教授のチームの分析で、先生方が子どもたちに期待するPCスキルのうち、「キーボードによるローマ字入力」、「ファイルのコピー・移動」、「ファイルの保存」といったスキルが期待値に達しておらず、大きなギャップがあったという。
これは、現代社会の子どもたちがスマートフォンやタブレットといった操作に慣れているため、音声入力や(かなの)フリック入力が当たり前であり、ファイルの概念もあまりため、ある意味当たり前の結果である。よって、WDLCは今回のキャンペーンを通じて、子どもたちにキーボード入力やファイル操作に慣れ親しんでもらい、PCの基礎的スキル向上を目指してもらう。
日本は他国と比較して子どものPC所有率やPC利用率が圧倒的に低く、このまま深刻化すれば将来的にIT従事者が大きく不足する局面を迎える。そのため文部科学省は教育におけるPC利用やプログラミング教育の必修化を促しており、WDLCとしてはこの動向に合わせ、教育における子どものPC利用を推進していく。