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MRヘッドセット「HoloLens 2」は月額99ドルから購入可能に
~de:code 2019レポート、絵文字まで表示できるタブUIのターミナルアプリも
2019年5月29日 19:25
日本マイクロソフト株式会社は、ITエンジニア向けのテクニカルカンファレンスイベント「de:code 2019」を5月29日~30日の期間で開催する。
本稿では、29日に行なわれた基調講演の模様をお伝えする。基調講演では、おもに米シアトルで6日に開催された「Build 2019」での発表が改めて披露された。
「HoloLens 2」は年内に国内発売
基調講演では、米Microsoft テクニカルフェロー アレックス・キップマン氏が、2月に発表(視野角と解像度が2倍に、SoCがSnapdragon 850になったHoloLens 2)された複合現実(Mixed Reality: MR)ヘッドセット「HoloLens 2」を披露。解像度や視野角、性能面だけでなく、装着感も大きく改善されているとアピールした。
発売は年内を予定しており、米国価格は3,500ドル。Azureとの連携サービスの利用権が付属する、月額99ドルからの購入プランも用意される。
日本マイクロソフトの担当者によれば、月額99ドルというのは3年(36カ月)の支払い購入契約を結んだ場合の予定価格で、仮に36カ月を待たず途中で打ち切っても残債を支払うこととなり、いわゆる携帯料金の“2年縛り”のような支払いプランであるとのこと。なお、国内でも12カ月/36カ月のプランを用意する予定だという。
オープンソースのターミナルアプリ「Windows Terminal」
米Microsoft コーポレート バイスプレジデントのジャレッド・スパタロウ氏は、開発中のターミナルアプリ「Windows Terminal」を紹介。
Windows Terminalは、MicrosoftがGitHub上でオープンソースアプリケーションとして開発しているターミナルアプリ。コマンドプロンプトやPowerShellのほか、Windows Subsystem for Linux (WSL)といったシェルも扱える。
タブUIを採用し、PowerShellとUbuntuを同時に起動して即座に切り替えたり、Unicodeをサポートするため合字や絵文字を表示させたりといった操作が可能。フォントのレンダリングはDirectWriteで行なわれ、好みのフォントを使うこともできる。色テーマや背景のぼかし/透明度なども設定できる。
現在はアルファ版のため、ソースコードからビルドする以外に試用する方法はないが、将来的に単体アプリケーションとしてMicrosoftストア経由で配布される予定。
従来のWindowsでは、コマンドプロンプトなどのシェルやコマンドラインアプリが動作すると、“ターミナル風”のUIを持った「Windows Console」が呼び出されており、Windows ConsoleはWindows NT時代から30年以上に渡って使われているが、Windows Terminalはそれを置き換えるものではなく、下位互換性を確保するためにもWindows Consoleの提供は引き続き行なわれるという。
そのほか、Azureや開発者向けの新サービス/製品などが紹介されたほか、トヨタ自動車ならびに自動運転/ロボット制御AIを開発するAscentとの提携も発表された。