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世界的に見ると日本は「働き方改革」先進国
~米Microsoft CPOの語る“未来のデバイス”ビジョン
2019年5月10日 14:34
日本マイクロソフト株式会社は10日、50型コラボレーションデバイス「Surface Hub 2S」の国内出荷発表と、米Microsoftで最高製品責任者(CPO)を務めるPanos Panay氏の来日に合わせ、同氏を招いた報道向けのトークセッションを開催した。
Panay氏は、日本では「働き方改革」が現在のビジネスシーンで注目されているが、働き方/働く場所の多様化や、企業のグローバル化、テクノロジーの発展で常に接続されるようになり、世界的に多くの変化がビジネス分野で起きていると説明。
同氏は「世界各国を訪れているが、実際に六本木のスターバックスやバー、レストランを訪れたさいに、年齢に関わらず人々が食事などをしつつPCを使って仕事を進めているのを見かけるなど、世界的に見ても先進的である」と述べ、日本は変化が非常に早く、イノベーティブな市場であるとした。
2018年第3四半期のSurface事業は好調で、とくに日本では日本マイクロソフトの平野氏が掲げていた50%成長という目標を超える結果を記録した。
これについて同氏は、Surfaceの日本での成功は働き方改革に適したものだったからだと述べ、日本の成功は先行指標であり、驚くものではなかったという。
理由として、Surfaceシリーズはライフスタイルに合わせたさまざまな製品群を用意しており、日本はシーンに合わせてデバイスを使い分けるというスタイルが受け入れられる土壌があったために成功したと述べ、LTEのような通信回線網の高い普及によるWAN機能や、携帯性といった日本で重要視されているポイントは他国と比較しても重要なものであるとした。
じっさいにSurface製品の開発において、10型2in1の「Surface Go」は日本からのフィードバックを反映し、より小さく、持ち運びに優れ、フルキーボードを備えるというニーズに応えたものだと説明。日本マイクロソフトによれば、Surface Goは法人導入のほか、文教向けにも引き合いが多いという。
同氏は、Surfaceに限らず、Microsoftでは製品を開発するうえで、技術よりも人を重要視していると述べ、ハードウェアとソフトウェアが完璧なものであれば、人はその存在を意識せずに済むはずで、環境に左右されずに頭脳と心だけで仕事ができるようになると説明。
重要なことは、ユーザーが望む方向に進むのをアシストすることで、さらに目的地に“到着したあと”に必要とされるものも用意するのが、Microsoftの製品開発であるとした。
国内展開が発表された「Surface Hub 2S」については、まず働き方改革では、飛行機の中やカフェ、ホームオフィスなど、オフィス外で仕事ができることが重要視されるが、オフィス内での仕事も同様に重要であるとし、オープンオフィスの採用で対面して仕事ができるような職場環境は業務効率を引き上げ、そういったシーンにおいて、Surface Hub 2Sは革新的な製品であり、Microsoft Teamsと連携し、家や公園など世界中どこからでも、まるで同僚が隣にいるかのように仕事が行なえる環境を提供するデバイスであるとアピールした。