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中国tigo、世界初の水枕つきPCIe SSD。日本参入にも意欲
2019年5月9日 13:14
東京国際展示場で8日から10日にかけて開催されているITイベント「Japan IT Week 【春】後期」において、中国のメモリ/SSDブランドの「tigo」がブースを構え、日本進出に強い意欲を示した。
同社は2000年に創業した、中国国内では珍しいメモリ/SSD専業メーカー。現時点では日本に正規代理店を持っていないのだが、高い品質と独自の機能性を持った製品を保有しているため、自信を持って日本のユーザーに製品を届けたいとのことだ。ちなみに海外向けのブランドは「Kimtigo」となっており、日本投入のさいもこのブランドが使われる見込みだ。
昨今、メモリやNANDチップのリマーク品や粗悪品、リユース品が市場に出回っており、NANDやメモリを自社で製造していないメーカー製品への消費者の信頼が揺らいでいる。これに関して聞いてみたところ、「自社で製造しておらず、他社からOEM供給を受けるメーカーが多いなか、われわれは自社で開発から製造、販売までを一貫して行なうことで品質を確保している」とのことだった。
ちなみにNANDやメモリについては、「SamsungやHynixといった大手からウェハの状態で購入し、台湾の委託先でウェハのカッティングや選別、パッケージを実施。香港経由で再輸入し深センで製造/出荷している」とのことだ。
また、ウェハの状態ではなく、刻印が入ったチップの状態で大手から購入することも可能だが、価格が高いうえに供給量も安定しないとのことで、コンシューマ向けの製品では基本的に採用しない、もしくは謳わない意向。ただ、エンタープライズ向けの製品も用意しているため、「そういった顧客の需要があるのであれば対応も可能」という。
Japan IT Weekでは、世界初という「水冷ヘッド装着済み」の容量960GB/1TBのPCIe x4 SSDや、RGB LEDイルミネーションつきのゲーミング向けメモリ(3,200MHzと3,600MHz)などを展示した。いずれのRGB LED発光機能もマザーボード各社のRGB制御に対応し、動作保証の認証を取得してロゴを添付している。さらにRazer Chromaに対応する点は珍しいと言える。
また、U.2接続のSSDやPCIe x4接続のSSD、eMMCなども展示し、コンシューマのみならず、エンタープライズや組み込み向けといった幅広いポートフォリオを示した。2019年下期は、より高速なSSDや、PCIe SSDコントローラとNANDを1パッケージに統合した組み込み向け製品なども予定しているという。
もうすぐ台湾・台北で開催されるCOMPUTEXにもブースを構える予定。同社の製品はすでに多くのマザーボードメーカーから引き合いがあり、会場ではマザーボードに搭載した格好で見ることができるだろう。