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ソフトバンクがNVIDIAの「GeForce NOW」を2019年末に国内展開予定

GeForce Now AllianceのパートナーはソフトバンクとLG U+

 米NVIDIAは、プライベートイベント「GTC」を3月18日~21日(現地時間)の4日間に渡り、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼにおいて開催している。初日には、同社CEO ジェンスン・フアン氏による基調講演が行なわれ、このなかでクラウドゲーミングサービス「GeForce NOW」の通信キャリアサービス版となる「GeForce NOW Alliance」を発表した。

GeForce NOWをエッジサーバーにしてレイテンシを解決する「GeForce NOW Alliance」

NVIDIA CEO ジェンスン・フアン氏

 NVIDIAはすでにクラウドゲーミングサービスとなるGeForce NOWを提供している。フアン氏は「全世界で15のデータセンターにおいて、GeForce NOWのサービスを提供している。ユーザーはPCがなくても、Macやスマートフォン、タブレットなどでPCと同じタイトルをプレイ可能だ」と述べ、今後GeForce NOWがスマートフォンやタブレットなどにとって新しいアプリケーションになり得ると説明した。

 GeForce NOWでは、ユーザーの端末(スマートフォン、dGPUがないPCなど)に対してゲームをストリーミング配信する。具体的にはサーバー側でゲームを実行し、リアルタイムで動画に変換して、ユーザーの端末にストリーム配信しながら、ユーザーが端末側で行なった操作をサーバーに反映する仕組みになっている。これにより、PCでなくてもPCゲームをプレイできる。

 ただ、この仕組み上、どうしてもレイテンシが発生し、応答に遅延が出てしまうので、プレイできるゲームはある程度のレイテンシを許容できるタイトルにかぎられる。

 GeForce NOW Allianceは、そのGeForce NOWのサービスを通信キャリアに対してライセンスし、通信キャリアがサービスの1つとして提供する。これにより、通信キャリアは自社のネットワーク内に、エッジサーバー(よりユーザーに近いところに設置されるサーバーのこと)としてGeForce NOW用のサーバーを置くことができる。利用者は低レイテンシで利用できるようになり、レイテンシが課題になるようなゲームであっても、より現実的な速度でプレイできるわけだ。

 なお、フアン氏は「GeForce NOW用のサーバーはNVIDIAから提供する」とも述べており、NVIDIAが通信キャリアに対してパッケージとしてサーバー群などを提供する計画であることを明らかにした。

ソフトバンクが参画。5Gに向けて有望なサービスに

最初のパートナーは日本のソフトバンクと韓国のLG U+

 今回NVIDIAは、このGeForce NOW Allianceを提供するパートナーとして2つの通信キャリアを明らかにした。それが日本のソフトバンクと韓国のLG U+だ。

 とくに5Gの世代では、こうしたエッジサーバーを利用したサービスが一般的になると考えられており、通信キャリア各社も実現可能なサービスを探っている段階。レイテンシが問題になるクラウドゲーミング、4K/8Kの動画配信などが有望なアプリケーションになると考えられており、ソフトバンクはいち早くそこの可能性に賭けたことになる。

 GeForce NOW Alliance自体は、通信回線の種類には依存しないので、5Gでも、4Gでも、固定ブロードバンド(光回線など)でも利用できる。エッジサーバーをネットワーク内に置く必要があると考えると、それが前提になっている5Gとの親和性は高い。

 リリースによれば、GeForce NOWのサーバーにはGeForce RTX 2080相当のゲーミング性能が提供される予定で、2019年末にも日本および韓国でサービスを展開する予定としている。