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クラウドゲーミングは家庭用ゲーム機やゲーミングPC購入への“足がかり”に

Googleのクラウドゲーミングサービス「Stadia」

 市場調査会社International Data Corporation(IDC)は18日(英国時間)、欧州/中東/アフリカ市場(EMEA)におけるPCゲーミング市場について、中短期内にクラウドゲーミング市場の影響は受けず、2023年まで成長を続けるとの予測を示した。

 2019年第4四半期の市場成長率は前年比4.1%増と予想され、2019年通年のPCゲーム市場を維持するのに十分な成長を示しており、出荷台数は通年で前年比0.3%増の840万台に達という。IDCでは2023年末までに980万台まで増加し、4年間の複合年間成長率(CAGR)は3.8%になると予想している。

 IDCの定義するゲーミングPCは、プレミアムまたはパフォーマンスグレードのGPUを搭載したデスクトップ/ノートPCで、QuadroやRadeon ProなどのGPUを搭載するものについては除外されている。

 IDC CEMAのプログラムマネージャ Nikolina Jurisic氏は、中長期的な予測では、市場は消費者意識とゲームコミュニティの成長の恩恵を受けると述べ、ゲーミングシステムは価格と利幅が高く交換サイクルも短いため、メーカーの関心を集めているとし、エンドユーザーは幅広いゲームの範囲、新製品の発売、競争の激化によって安価な価格設定の恩恵を受けているとした。

 クラウドゲームについては、市場の受け入れの初期段階にあり、短期または中期での市場に悪影響を与えることはないと予測。

 IDC西ヨーロッパ シニアリサーチアナリストのLiam Hall氏も、アーリーアダプタを除くゲーマーが、ゲームハードからクラウドゲーミングへ大規模に移行することはまずないとしたうえで、逆にクラウドゲーミングは、今までゲーム機やPCを購入するほどゲームに積極的でなかった層にとって、ゲームを遊ぶための参入障壁を下げるものとなり、結果的にゲームへの情熱を高め、家庭用ゲームやPCゲームへの“足がかり”として機能するとの見方を示している。