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日本マイクロソフト、AI技術やAzure、365サービスの利用を促す「Tech Summit 2018」を開催
2018年11月5日 18:40
日本マイクロソフト株式会社は、AI技術をはじめとし、Azure、Microsoft 365、Dynamics 365などの同社製品/サービスなどを事例を交えて紹介するカンファレンス「Tech Summit 2018」を、11月5日~7日の3日間、東京のザ・プリンスパークタワー東京で開催している。
初日となる5日の基調講演の冒頭では、同社代表取締役社長の平野拓也氏が、“女子高生AI”こと「りんな」(実際にはスマホだが)を携えて登壇。Microsoftが開発しているAIは、これまでの単なる認識結果を示すAIとは異なり、人と同じように目で見た上で、感情をもって会話できる「共感視覚モデル」を実現していることをアピールした。
「従来のAIによる物の認識だけでは、人間と自然に会話することはできない。われわれは共感視覚モデル、全二重方式、共感チャットモデルなどを用いてりんなのようなAIを実現している。そして、このようなAIを技術デモとして示すだけでなく、その技術でパートナーが新たな価値を生み出せるようにするのがわれわれの使命である」とし、Microsftが提供するさまざまな技術をビルディングブロックとしてパートナー企業の基盤のなかに組み込むことで、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進し、ひいては日本社会の変革に貢献したいと語った。
続いて登壇したのは、Tech Summitのために米国本社から来日したサティア・ナデラCEO。同氏は、すでに日常生活のなかにコンピューティングパワーが浸透してきているが、ビジネスアプリ、アプリケーションインフラ、AIといった要素が組みあわせられ、インテリジェントエッジとクラウドがその基盤を構築し、企業のサプライチェーンや製品の本質を変えてからはじめてデジタルトランスフォーメーションが成功すると述べた。
その基盤を構築するAzureに関しては、日本を含む多くのリージョンで展開しているほか、複数の認証や認定を受け、高い評価と信頼性を得ているとアピール。また今後1年間かけてその容量を2倍にするとした。
AIに関しては、AIのためのAIではなく、民主化のためのAIでなければならないとし、過去に多くの実績を残しているのみならず、Azure AIとして提供し、パートナーが実際に利用できるかたちで提供しているとした。Microsoft 365やDynamics 365、Cortanaといった製品のなかにもそのAI技術を適用しており、Microsoft自身もその技術を活用している一員であることを紹介した。
顧客にとってデータが最大の価値を持つという点にも着目し、セキュリティを担保しながら、データを管理/共有することこそが生産性の向上につながるとし、Microsoft Graphを使い自分自身でデータを管理できる仕組みを用意したと語った。
Microsoftのサービスを利用している日本企業として、小松製作所、JTBとNAVITIME、トヨタ自動車、東日本旅客鉄道、ニトリなどを挙げ、現場の業務最適化や新たなソリューション、ARによる新たな製品開発プロセスによって業務効率を向上、デジタルトランスフォーメーションの成功に結びついているとした。
このほか、近年話題にされつつあるセキュリティにも重視したサービスを提供していること、AIが倫理的でなくてはならず、Microsoftとして積極的にこの討論に参入していることなどを挙げた。
ナデラCEOは最後に、こうした技術は企業のビジネスのみならず、人命救助などのインフラにも使われるべきであるとし、システムを開発する団体に対し助成金を提供していることも明らかにし、講演を終えた。