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Huawei、IQが4,556の“智慧生命体”を搭載したスマホ「Honor Magic 2」

Honor Magic 2

 中国Huawei Technologiesは10月31日(現地時間)、Honorブランドのフラグシップスマートフォン「Honor Magic 2」を発表した。11月6日より中国国内で発売する。

 ラインナップおよび価格は、メモリ6GB+ストレージ128GB版が3,799人民元(約62,000円)、8GB+128GB版が4,299人民元(約7万円)、8GB+256GB版が4,799人民元(約78,000円)。また、グラファイト放熱技術と独自の3D顔認証技術を搭載した最上位モデルも用意され、8GB+512GBで価格は5,799人民元(約95,000円)となっている。

 Xiaomiが先立って発表した「Mi MIX 3」と同様の液晶スライド機構を備えており、スライドにより前面カメラが現れるようになっている。ただしMi MIX 3は背面指紋センサーであるのに対し、Honor Magic 2は画面内指紋センサーを備える。

 スライド機構は左右サイドに2本、中央に1本の計5本の“蝶式”レールによって実現。機構の詳細は明らかにしていないが、ガタツキがきわめて少ないスライド機構を実現したとしている。

Mi MIX 3と同じ画面スライド機構で、スライドによってカメラが現れる
“蝶式”の5つのレールによるスライド機構
3D曲線設計により、手のフィット感を高めた
3色のラインナップ
穴が見えない設計となっている

 ディスプレイは2,340×1,080ドット表示対応の6.39型AMOLEDで、DCI-P3比108%の広色域を実現。ディスプレイ占有率は91.5%となっている。SoCは最新のKirin 980を搭載し、CPUは2コア2.6GHz駆動Cortex-A76+2コア1.92GHz駆動Cortex-A76+4コア1.8GHz駆動Cortex-A55、GPUはMali-G76を搭載。デュアルNPUを備え、深層学習処理を高速化した。

 製品発表会では、このKirin 980の深層学習機能をフルに活用した“智慧生命体”「YOYO」(いわば音声アシスタント)について説明の時間が多く割かれた。

Kirin 980を採用し、深層学習処理に特化
人工知能を多用した「Magic UI 2.0」を搭載

 同社の測定によれば、YOYOのIQは4,556ポイントに達するといい、これはiPhone Xの3,761を大きく上回るものだとする。この基礎の上で、上位モデルに搭載される独自の3D顔認証機能は、指紋認証の信頼性をも上回る金融界クラスのセキュリティを実現しているとし、顔認証によってAliPayの支払いが行なえるとした。

 また、声紋認証にも対応し、利用者の声でのみロック解除できるほか、近日に予定しているアップデートにより、騒音源に近くスマートフォンを置いても、声紋によりYOYO認識率を高める機能を実装するとした。

 YOYOのアシスタント機能の1つが買い物。カメラ機能によって撮影した物体を認識し、300を超えるECサイトで検索し、直接オンラインショッピングできるほか、画面上に表示されている任意の画像の長押しによる画像認識も対応し、同様に直接購入画面に遷移できるようにできる。加えて、AliPayやWeChatペイと直接音声で指示すると、声紋認証により自動で画面ロックを解除し、支払いのバーコード/QRコードを表示する機能を備えた(iPhoneのSiriでは別途画面ロック解除が必要)。

 自動車運転時のナビとして使うさいは、自動的に運転中であることを認識し、「YOYO」といちいち呼びかけなくても音声に応答してくれる。

 外国に旅行にするさいに便利な機能として、カメラでレストランのメニューを写すと、英語、イタリア語、フランス語などを自動的に中国語に翻訳してくれる機能を搭載。また、電話をかけるさいは、YOYOが外国語と中国語を逐次翻訳して、自分の代わりに相手と通話してくれる機能を備える。

 カメラと人工知能を融合した機能としては、食べ物を写すと自動的にそれが何であるかを認識し、カロリーを表示してくれる機能を備える。また、背面カメラを利用して肌の表面をスキャンし、肌の状態をスコアで評価し、スキンケアをアドバイスしてくれる機能も搭載。同社によると、16万人民元の肌分析機の92%に相当する精度で評価できるとしている。

 さらにYOYOに一連の動作を学習させる機能や、最新トレンドを踏まえた入力サジェスト機能なども特徴としている。なお、YOYOの学習データはエクスポート可能で、次期モデルに買い替えたさいも移行できるとしている。

任意の物の画像を長押しすることで、その物を認識し、ECサイトで探してくれる
電話の逐次翻訳も可能
背面カメラで肌の診断が可能
肌の診断結果表示してくれる

 このほかの機能としては、独自開発の「Hi1103」GPSチップにより、L1+L5デュアルバンドGPSをサポート。独自のAI衛星選択機能により、誤差15m以内の高精度測位が可能。「Magic Charge 40W」に対応し、10V/4Aの急速充電により、15分間で50%、30分間で85%充電できるという。

 Wi-Fiは1,733Mbpsに対応し、10GBのビデオを78秒でダウンロードできる。さらに、デュアルSIM/デュアルVoLTEもサポートし、片方のSIMでVoLTE通話していても、もう片方のSIMでVoLTEの着信が可能としている。

L1+L5デュアルバンドGPSにより高い精度の測位が可能
40Wの急速充電に対応
1,733MbpsのWi-Fiに対応
片方のSIMでVoLTE通話していても、もう片方のSIMでVoLTE着信が可能

 カメラは背面が1,600万画素カラー/F1.8+2,400万画素モノクロ/F1.8+1,600万画素カラー広角/F2.2のトリプル、前面が1,600万画素/F2.0+200万画素/F2.4×2の計6基。AISと呼ばれる手ぶれ補正により、6秒の長時間露光・夜景手持ち撮影が可能としている。また、セルフィー撮影時はディスプレイをスライドさせるだけでカメラが起動する。

 対応バンド帯は、FDD-LTEが1/2/3/4/5/6/7/8/12/17/19、TD-LTEが34/38/39/40/41、WCDMAが1/2/4/5/6/8/19、TD-SCDMAが34/39、CDMAがC0、GSMが2/3/5/8。

 このほかインターフェイスとしてUSB Type-Cを搭載。バッテリは3,500mAh。本体サイズは75.13×157.32×8.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約206g。本体色はグラデーションの赤、青、黒の3種類。

グラデーションの青
グラデーションの黒