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SteamVR、低スペックPCでもVRを楽しめる「フレーム補間」機能

 SteamVRは18日、「SteamVR」の新機能「Motion Smoothing」を発表した。

 同機能はいわゆる“フレーム補完”機能で、VR HMDにおいて、ハードウェアの性能不足によるアプリケーションのリフレッシュレート低下を回避するためのもの。すでにSteamVRベータ版にて利用できる。

 ベータ機能のため、現在はNVIDIA GPU搭載のWindows 10PCでのみ有効となる。また、HTC Vive以外のVR HMD(Oculus Rift/Windows Mixed Reality)では、ディスプレイドライバが異なる動作を行なっているため、Motion Smoothing機能は​​利用できない。

 SteamVR Motion Smoothingは、すでに提供されている「非同期再投影」機能を改善したものであるという。機能としては、TVなどで「倍速駆動」などの名称で実装されているのと同種のもので、レンダリングされたフレームを基に新しい中間フレームを作成し、フレームレートを擬似的に向上させる。

 TVのような既存のモーションスムージングの場合、2フレーム間の補間を行なうために、表示遅延が発生しVRに利用するには適さないが、SteamVR Motion Smoothingでは、連続した2フレームを基に、それに続く3フレーム目を新たに補間することで、遅延を抑えVRへの適用を実現している。

 Motion Smoothingは、アプリケーションがフレームを作成しない(フレームドロップする)と見なしたときにのみ起動し、補間されたフレームによって、視覚上アプリケーションはフルフレームレート(ViveおよびVive Proでは90Hz)で表示され、“ジャダー”を回避できる。

 同機能により、アプリケーションは2フレームのうち1フレームをレンダリングするだけで90Hz動作を実現できるため、システム負荷を劇的に低下できる。またフレーム補間を行なってもなおフルフレームレートに満たない場合には、1フレームごとの補間フレームを2フレームまたは3フレームと増やし、スケールダウンするよう設計されているという。

 Valveでは、Motion SmoothingによってローエンドGPUでもVRが楽しめるようになるほか、VR対応環境でも、より高解像度でのレンダリングを可能にできるとしている。