ニュース

HP、DellなどがGeForce RTX 20搭載の新ゲーミングデスクトップPCを展示

会場となるケルン・コンベンション・センター

 ドイツ連邦共和国 ケルン市にあるケルン・コンベンション・センターで、8月21日~8月25日(現地時間)の5日間に渡り欧州圏では最大のゲーム関連のトレードショーとなるgamescom(ゲームズコン)が行なわれている。

 この前日にあたる8月20日には、NVIDIAの記者会見がケルン市内の会場で行なわれたが、初日になる8月21日(現地時間)には限られた来場者だけが入場できる招待日となっており、主にゲーム業界の関係者や報道関係者などを対象に展示が行なわれた。翌8月22日(現地時間)からは一般の来場者も来場する一般入場日となる。

 gamescomには、PCメーカーなども参加しており、展示会場にはHPやLenovoの子会社で欧州を中心に展開しているMEDION、Razerなどがブースを構えていたほか、ASUSのゲーマー向けブランドであるROG(Republic Of Gamers)、GIGA-BYTEのゲーマー向けブランド「AORUS」など自作PCやゲーミングPC向けの製品を提供するベンダもブースを構えていた。

PCベンダーも注目されるようになりつつあるgamescom

 gamescomとは、例年8月前後にドイツで行なわれている欧州圏では最大となるゲーム関連のトレードショー。日本で言えば東京ゲームショーに相当するトレードショーだと考えればわかりやすいだろう。

 近年ではこのgamescomが、Intel、NVIDIAといった半導体メーカーの新製品発表の場として活用されることも増えている。最近の例で言えば、2016年のSkylake(第6世代Coreプロセッサ)のデスクトップPC版(Skylake-S)の発表は、このgamescom合わせていた。そして今年(2018年)は、NVIDIAのゲーミングGPUとなるGeForce RTX 20シリーズの発表の場として選ばれた。

会場の中は意外と広く、ホールは11個もある。いくつかのホールは2階建て構造なので、回るだけでも結構骨が折れる

 今回NVIDIAは2段階の発表を行なっており、先週にカナダのバンクーバーで行なわれたSIGGRAPH 2018で「Turing GPU Architecture」というGPUアーキテクチャの名称と概要と、プロフェッショナル向けグラフィックスになる「Quadro RTX」シリーズ(8000/7000/6000)を発表。そして、今週にGeForce RTX 20シリーズの発表となった。通常NVIDIAのGPUは、まずGeForceが発表され、その後でQuadroが発表されるのだが、今回は珍しく逆になっていた。

gamescomのNVIDIAブースはこぢんまりとしていた。これはGeForce RTX 20シリーズを発表した会場で展示が行なわれていたため
チャネル販売事業者のブースではPalitとGainwardのGeForce RTX 20シリーズ搭載ビデオカードが展示されていた

 そうしたNVIDIAの新製品が発表されたこともあり、NVIDIAもブースを出してGeForce RTX 20シリーズを全力でアピールかと思ったが、NVIDIAのブースに行ってみると、GeForce RTX 20シリーズがポツンと展示されていて、それと一緒に写真を撮れるサービス(つまりその後Instgramに投稿して欲しいという思惑)を行なっているだけだった。GeForce RTX 20シリーズは、OEMメーカーのブースなどでもアピールされていたので、それでいいということなのだろう。

 ドイツ、というかヨーロッパでは、今でも自作PCの人気は強く、チャネル事業者などがNVIDIAのAICパートナーのボードを展示しているなどしており、早速この前日に発表されたばかりのGeForce RTX 20シリーズを展示していた。

EAブースでは、「Battlefield V」のプレイアブルデモが人気を集めていた
CodemastersのブースではF1 2018のプレイアブルデモが人気を集めていた。その奥にはコーエーテクモゲームズの「DEAD OR ALIVE 6」のプレイアブルデモも行なわれていた
スクエアエニックスのブースではShadow of the Tomb Raiderなどのデモが行なわれていた

 gamescomの主役は、言うまでもなくゲームタイトルだ。とくに人気を集めているのはまだリリース前のタイトル。例えば、NVIDIAの記者会見でも大々的にフィーチャーされていた「Battlefield V」は、版元のEAの巨大ブースの中でもかなりのスペースをとって実際に遊べるデモが用意されていた。このBattlefield Vには多くの来場者が並んでおり、待ち時間も数十分とのことだった。招待日でこれなのだから、翌日以降の一般公開日にはどうなってしまうのだろうかと心配になるほどだった…。

 ほかにも、9月にリリース予定の「Shadow of the Tomb Raider」、このgamescomの期間中になる8月24日にリリースが予定されている「F1-2018」なども、多くの来場者が並んでいた。

Dell、HPがGeForce RTX 20シリーズを搭載したゲーミング・デスクトップPCを展示

 全体を見れば成長が止まっているPC産業の中で、伸びているカテゴリが現在2つあり、モバイルPCの中でも1,000ドル以上のプレミアムPCで、もう1つがゲーミングPCになる。gamescomではそうしたゲーミングPCを利用したデモが多数行なわれており、逆にコンソールの方が少数派? と思われるような気がしてくるぐらいだ。

WindowsのゲーミングPCを展示するブース
Alienware Area-51、GeForce RTX 20シリーズを選択可能なタワー型デスクトップ・ゲーミングPC
Alienware Aurora

 そうした状況を反映して、gamescomでもPCメーカーがブースを出すなどして製品を展示していた。Dellは、MicrosoftのWindowsブース内に新製品を展示していた。詳細は別記事(Dell、FreeSync対応のゲーミング液晶2製品とRTX 2080搭載PC)に譲るが、Dellはgamescom合わせで、新型のディスプレイとデスクトップPCを発表した。

 Dellのコーナーには、「Alienware Area-51」と「Alienware Aurora」が展示されていた。とくに「Alienware Area-51」の方は、発表されたばかりのGeForce RTX 20シリーズ(GeForce RTX 2080だと思われるが、外観からはわからなかった)が入った状態で展示されていた。

HP OMENのブース
OMEN Obelisk Desktop
上部ポート
側面のカバーは透明になっている
背面
CPUとメモリ。メモリはHyperXのFURY DDR4-2666

 その隣には、HPのゲーミングPCブランドであるOEMNのブースも用意されており、8月20日(現地時間)に発表された新ゲーミングデスクトップPCとなる「OMEN Obelisk Desktop」の展示が行なわれていた。

 OMEN Obeliskは、タワー型のデスクトップPCで、CPUは第8世代Coreプロセッサないしは第2世代Ryzenで、メモリにHyperXのFURY DDR4-2666を最大32GBまで搭載することができる。HyperXはオーバークロックメモリのブランドとしてよく知られており、オーバークロックがしたいというゲーミングPCユーザーのニーズに応える選択だ。GPUは発表されたばかりのGeForce RTX 20シリーズも選択可能だが、展示されていたマシンにはGeForce RTX 10シリーズのビデオカードが搭載されていた。

 側面の蓋は透明になっており、内部が簡単に見えるようになっている。内部にRGBライトも用意されており、ソフトウェアにより好きな色に変更して印象を変えるという使い方が可能だ。

 また、CPU、メモリ、ビデオカードなども簡単に取り替えるようが出来るようにすっきりとした内部構造になっており、ケースそのものがmicroATX規格に基づいて作られているので、電源も含めてほとんどのパーツがツールレスで取り外して交換できることも特徴の1つだ。

Lenovoの子会社のMEDIONブース
Razerブース
ROG(Republic Of Gamers)ブースは、VR体験のコーナーが人気だった
GIGABYTEのゲーマー向けブランド「AORUS」ブース

 ほかにも、ASUSのゲーミングPCブランドであるROG(Republic Of Gamers)、GIGABYTEのゲーマー向けブランド「AORUS」、ゲーミングPCメーカーのRazer、Lenovoの子会社でヨーロッパ向け専業のMEDIONなどがブースを出して、自社製品のアピールやVR体験コーナー、対戦コーナーなどを用意していた。