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HP、13%小型化しながらGPU性能が60%向上した新ワークステーション
2018年7月20日 11:00
HPは18日(シンガポール時間)、同社の顧客向けイベント「HP Imagine 2018」を開催。このなかで記者向け説明会を開催し、第4世代目となるエントリー向けワークステーション「HP Z2 G4 Workstation」シリーズを発表した。
なお、製品の詳細について既報(記事:日本HP、容積2.7LでQuadro P600を搭載したワークステーションなど)を参照されたい。この記事では発表会の模様や、会場に展示された実機などの写真をお伝えする。
デザイン、セキュリティ、コラボレーション重視の企業向けPC
発表会の冒頭では、同社のアジア・パシフィック&日本リージョンでVice President, Business Personal SystemsのKetan Patel氏が、企業向けPCのラインナップについて紹介。
これらの企業向けPCは、グローバルではすでに発表されていたものの、日本を含むアジア・パシフィック地域では投入されていなかったもので、今回の発表を持って日本にも投入された格好だ。
いずれの製品も、薄型軽量で可搬性を高めながらデザインにもこだわり、ファッションや最新のトレンドを取り入れつつ、性能や従業員の体験も重視したものになっているという。
また、全世界では平均して1秒に4回もハッキングが行なわれている状況を踏まえ、高度なBIOS保護機構や、ワンタッチでオン/オフできるプライバシーフィルタ機能(HP EliteBook x360 1030 G3とHP Elite x2 1013 G3に搭載)を搭載する。
さらに、従業員のコラボレーションも重視し、高音質なスピーカーの搭載やノイズキャンセリング機能つきのマイク、バッテリ内蔵で本体に磁力でくっつくペンといった機能を備えることなどが紹介された。
せまい仕事場にも対応できるエントリー向けワークステーション
続いて、Vice President, Workstation Product Management & Go-To-MarketのCarol Hess氏が、ワークステーションの新製品について説明した。こちらはグローバルで初めて発表されるもので、日本でも同時に発売されることが発表された。
今回の最大の目玉は、じつはタワー型の「HP Z2 Tower G4 Workstation」。本製品は設計やデザインの一新により、筐体サイズが従来より13%小型化したとのこと。これは企業が従業員のコラボレーションを重視しはじめた結果、従業員1人あたりが占有できるスペースが減っているというトレンドを踏まえた改良とのことだ。
同時発表された「HP Z2 SFF G4 Workstation」は、LowProfileという制限があるため、最高構成でもQuadro P1000(GeForce GTX 1050相当の規模)しか搭載できないが、タワー型はこのような制限がなく、Quadro P5000(GeForce GTX 1080相当の規模)を搭載できる。従来製品からはGPU性能が60%向上したほか、CPUも4コアから6コアとなり、より高い性能を実現するのが特徴。
一方でZ2 SFFは筐体に大きな変更はないのだが、新たにシリアルポートを搭載できるようになったのが特徴。Z2 SFFに関しては、前面にマグネット着脱式の防塵フィルタを備えることで、メンテナンス性を向上させ、ホコリの多い工場などでの利用も可能になったとする。
Z2 Miniも新たにシリアルポートが搭載可能になったほか、ディスクリートGPUなしの選択肢が加わったのがトピック。これは映画制作において、CPUを駆使したソフトウェアのオフラインレンダリング用を考慮したもので、ラックマウントキットと組み合わせ、高い密度を実現するレンダリング用クラスタを構築できるようになったとしている。
このほか「EliteDesk 800 Workstation Edition」も発表された。こちらは日本での発売時期は未定だが、ISV認証を取得しており、AutoCADといった主要なデザイン向けアプリの動作保証が謳われ、より低価格なニーズに応えられるとしている。