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コンシューマー向けSSDの頂上対決! 最新製品の実力はここまで来た!!

~夏のPCパーツ大品評会 その5 Intel「Optane SSD 905P」、Samsung「SSD 970 PRO」

最強と最速、どちらを選ぶか

Intel「Optane SSD 905P SSDPE21D480GAX1」実売価格:89,000円前後
Samsung Electronics「SSD 970 PRO MZ-V7P1T0B/IT」実売価格:75,000円前後

 現在コンシューマ向け最高性能SSDと言えば、IntelのOptane SSD 905PとSamsungのSSD 970 PROだ。Optane SSD 905Pは、記憶媒体に独自の不揮発メモリ「3D XPoint」を採用。これによって、NANDメモリでは実現できない耐久性、ランダムライト性能、低レイテンシを実現している。ベンチマークではその性能の一端を垣間見ることしかできないが、レイテンシの低さが効くアプリの起動はSSD 970 PROよりもわずかに速い。また、速度低下も一切見られないなど、最高の使用感を実現した製品と言えるだろう。とくにゲーム用途にオススメだ。

 一方、SSD 970 PROは、最大速度でSSD 905Pを大きく上回る3,500MB/sオーバーを実現し、現役最速だ。また、アプリの起動速度では、Optane SSD 905Pに一歩譲るが、その差は大きくない。SSD 970 PROは、2MBの最大転送長をサポートし、大きいデータの転送効率を向上させており、これが使用感の向上に一役買っている。大型データの移動を高速に行ないたい場合には本製品の特性が活きるだろう。(北川達也)

U.2とM.2に対応
U.2接続のOptane SSD 905Pは、U.2ケーブルで接続するタイプとM.2に変換して接続する2種類を用意。マザーボードの搭載コネクタに合わせて選べる。写真はU.2接続モデル
3D MLC NAND採用NVMe SSD
M.2 NVMe SSDの中では唯一3D MLC NANDを採用。基板裏側のラベルに銅箔の層を設けるなどの熱対策も行なわれているが、常に最大性能で使いたいなら別途対策を行ないたい
5コアのコントローラを採用
高い処理能力を誇る5コアの自社開発のコントローラを採用。コントローラの設計自体は、前モデルのSSD 960 PROと同じだが、高クロック化によって性能が高められていると言う
2製品のスペック比較
メーカー名IntelSamsung Electronics
型番SSDPE21D480GAX1MZ-V7P1T0B/IT
容量480GB1TB
メモリタイプ3D XPoint3D MLC NAND
キャッシュ容量非公開1GB LPDDR4
シーケンシャルリード2,600MB/s3,500MB/s
シーケンシャルライト2,200MB/s2,700MB/s
4Kランダムリード575,000IOPS500,000IOPS(QD32)
4Kランダムライト550,000IOPS500,000IOPS(QD32)
TBW(Total Byte Written)8.76PB1,200TB
保証期間5年5年間またはTBW1,200TB
温度推移
Intel Optane SSD 905Pは、最大でも55℃までしか温度が上がらないなど、見た目どおりの冷却性能だ。一方、Samsung SSD 970 PROは、2分経過で速度低下が発生。温度は2カ所計測されているが、低いほうはNAND、高いほうはコントローラと推測される
<左>最大速度は3,600MB/s弱を記録したSSD 970 PROが圧勝。ランダムリード/ライトは近いレベルだが、リードはSSD 970 PROが、ライトはSSD 905Pがやや優勢 <右>空き容量が少ない状態での速度低下をチェックする。bit単位で記録が可能と、NANDとは構造が異なる3D XPointを採用するSSD 905Pは速度低下がまったく起こらない
【検証環境】CPU:Intel Core i5-7600K(3.8GHz)、マザーボード:ASUSTeK PRIME Z270-K(Intel Z270)、メモリ:Micron Crucial Ballistix Sport BLS2K8G4D240FSA(PC4-19200 DDR4 SDRAM 8GB×2)、システムSSD:CFD販売 S6TNHG6Q CSSD-S6T256NHG6Q(Serial ATA 3.0、256GB)、OS:Windows 10 Enterprise 64bit版、温度:TxBENCHでシーケンシャルリード(QD32)を5分間実行した際の値を「HWiNFO64」で測定、※Intel Optane SSD 905PはASRockのU.2 Kitを使用してマザーボードのM.2スロットに接続
※記事中では、SSDのシールやラベルを剥がして撮影していますが、製品によっては、表面、裏面ともにシールやラベルを剥がすと保証対象外となる場合があります。

【お詫びと訂正】本ページの元記事であるDOS/V POWER REPORT 8月号紙版では、CrystalDiskMarkのテスト結果のうち、Samsung SSD 970 PRO MZ-V7P1T0B/ITのRandom Write 4KiB(Q32T1)の数値が誤っておりました。本ページ掲載の数値が正しい結果です。関係者のみなさま、ならびに読者のみなさまにお詫びして訂正いたします。また、上記の訂正に伴い、グラフの解説文の内容も訂正いたしました。併せてお詫びいたします。

DOS/V POWER REPORT 8月号の特集は「夏のPCパーツ大品評会」と銘打ち、マザーボード、CPU、ビデオカード、SSD&HDD、CPUクーラー、PCケース、電源ユニットの7ジャンル、57製品のレビューを一挙にお届けします。夏のボーナス商戦期、そろそろPCパーツが欲しい! というみなさんの製品選びを助けるべく、各ジャンルの注目製品を、実際に使用・検証して詳しく解説していきます。

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