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MIT、壁越しに人の動きを透視できる“ウォールハック”を実現するAI
2018年6月15日 18:45
米マサチューセッツ工科大学(MIT)のコンピュータ科学および人工知能研究所(CSAIL)は12日(米国時間)、人工知能(AI)を使って、壁越しに人の姿勢や動きを感知できる技術「RF-Pose」を発表した。
人間の身体に反射した電波をもとに、障害物越しに人の動きを検知できるというもので、無線機器とカメラの両方を使って、歩きや座り、会話や扉を開ける、エレベーターを待つといった、数千単位のイメージサンプルを収集し、それらをニューラルネットワークに学習させることで、無線信号から棒人間のイメージを生成できるようになったという。
研究チームは、パーキンソン病や多発性硬化症(MS)、筋ジストロフィーといった病気を監視し、進行をより深く理解することで、医師がそれに応じて薬を調整するといった活用が可能になるとしている。
この技術の利点としては、患者がセンサーを装着したり、デバイスの充電を行なうといった必要がないことが挙げられ、高齢者の生活補助や、転倒、怪我、活動パターンの変化を監視するといった利用も考えられており、医師と協力して、ヘルスケア分野の活用を目指しているという。
また、反射した電波からある程度の精度(83%)で個人を識別できることも示されており、捜索や救助活動のさいに、障害物越しに身元を確認するといった応用も挙げられている。