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米国で「Tesla V100」2.7万基を搭載した世界最速スパコンが稼働

~演算性能は200PFLOPS

Summit

 米オークリッジ国立研究所(ORNL)は8日(米国時間)、世界最速を謳うスーパーコンピュータシステム「Summit」の稼働を発表した。

 Summitは、秒間20京回の計算が可能で、最大200PFLOPSの演算性能を謳っており、ORNLの既存のスーパーコンピュータ「Titan」と比較して8倍の性能としている。科学的アプリケーションでの利用では、秒間30億々回以上の混合精度計算(3.3exaops)を行なえるという。

 現在、TOP500では中国の「Sunway TaihuLight (神威太湖之光)」がRmax(実効性能値)93PFLOPSで世界最速のスーパーコンピュータシステムとして記録されているが、Summitはそれを上回る性能を実現しているとみられる。

 本件について、エネルギー省長官のRick Perry氏は、「2021年までにエクサスケールのスーパーコンピューティングシステムを構築する目標へと近づく一歩である」と述べている。

 Summitは「IBM Power System AC922」4,608台で構成されている。

 各ノード(AC922)は、22コアの「Power9」プロセッサ2基、NVIDIAの「Tesla V100」6基を搭載し、DDR4メモリ512GBとHBM2メモリ96GB、1,600GBの不揮発性メモリを備える。ノードあたりの演算性能は42TFLOPS。

 ノード間の接続にはInfiniBandを採用し、システム合計で9,000基超のPower9と、27,000基超のTesla V100を搭載。システムメモリは計10PB超で、合計ストレージは250PB(2.5TB/s、GPFS)。消費電力は13MW(130万W)で、OSはRed Hat Enterprise Linux 7.4。

Summit搭載のIBM Power System AC922