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PC Building Simulator はこう遊べ!

~“PCを自作するPCゲーム”にハマる

The Irregular
PC Building Simulator
価格:2,050円(Steam)
URL:https://www.pcbuildingsim.com/

熟練した自作派ほどそのリアルさに唸る出来

TEXT: 加藤勝明(KTU)

 PCの中で街の建築や乗り物の操縦などを扱う、いわゆる“シム系”のゲームにはこれまでさまざまなものがあったが、なぜかPCに関連するゲームは少ない。だが4月にリリースされた“PCBS”こと『PC Building Simulator』は、自作PCの組み立てをテーマにしたPCゲームなのだ。

 PCBSの遊び方は、PCパーツ交換と組み立てを通じてPCの修理やメンテナンス事業を大きくする“キャリアモード”と、自由にPC自作を楽しむ“フリービルドモード”の2種類がある。

 自作PCを組んだ経験があれば、あとは簡単な操作を覚えればガンガンPCを組んでいける。たとえば『Minecraft』ではレシピを覚えなければ松明をともすことすら難しいが、自作派ならPCを動かすには何が必要か、レシピは身体で覚えている。そしてゲーム内で発生するイベントも、PC自作経験者ならニヤリとするものばかり。PC自作の手練はもちろんだが、これからPCを自作する前に見栄えを確認したい人、おぼつかない作業手順を再確認したい人にもオススメだ。

目的の違う二つのモード
キャリアモードフリービルドモード
PCのメンテ事業を拡大するのが目的純粋にPC自作を楽しむモード
プレイヤーレベルで新パーツが解放どんなパーツも自由に使える
資金や納期の制約の中で自作するレベルや資金の概念は存在しない
ネジ止めやケーブル接続は基本手動ネジ止めや配線は最初から自動化可能

自作経験者ならニヤリとする“アレ”もシミュレート

グリスの塗り忘れで怒られる
CPUクーラーを取り付ける前には、必ずCPUにシリコングリスを塗らないと、PCが完成したと認めてもらえない。熱伝導シート付きなどという堕落したパーツはこの世界には存在しないのだ。センターにチョイ盛りという自作のツボを押さえている点もポイント高し
ベンチマーク中にBSOD!
PCBSでは「3DMark」が完走することを高負荷に対する安定性の指標としているフシがある。だがパーツ構成にアンバランスな部分があると、場合によってはブルースクリーン(BSOD)が出てOSごと落ちる。練りに練った最強PC構成が無慈悲なBSODに玉砕されるのは痛恨の極み
汚いPCのメンテはつらい
キャリアモードではホコリまみれのPCを清掃したり、CPUクーラーが壊れてオーバーヒートするマシンを修理したりする。PC自作経験者なら、誰でも一度は遭遇するようなマシンを次々に診ることになるだろう。リアルな知り合いのPCメンテはたいていタダだが、PCBSではお金をもらえる

あのパーツがゲーム内に登場!

 PCBSには現実のPCパーツメーカーが多数協賛しており、ゲーム内のモデリングも現実の製品と見紛うばかりのものが収録されている。もちろん全メーカーが協賛しているわけではないし、ゲームシステム的に対応していないパーツ(原稿執筆時点ではM.2 SSDなど)もある。だがリリース当初は非対応だった簡易水冷クーラーが利用可能になるなど、アップデートを経るたびに登場するPCパーツの幅が拡がってきている。

 また、日本国内ではなかなか入手できないEVGAなどのメーカー品も比較的自由に使えるのがうれしい。憧れのあのPCケースやビデオカードでマシンを組んだらどんな雰囲気になるのか、想像しながら遊んでみるのもよいだろう。

CPU

 HDDやマザーボードは架空のメーカー品も多いが、CPUだけは現実にあるモデルのみが登録されている。IntelならSkylake世代からCoffee Lakeまで、AMDならAPUを除くRyzen 第1世代および第2世代のCPUと、Threadripperが選択できる。今のところIntelのK付きモデルやRyzenなどでCPUのオーバークロックはできないが、現在OC 機能実装に向けた作業をしていると言う。

マザーボード

 国内でおなじみのメーカーの中ではGIGA-BYTEとMSIのみが登録済みだが、海外の雰囲気を味わいたければ、EVGAのFTWシリーズをぜひ使ってみよう。RGB LED対応マザーは発光機能も本物の雰囲気に近い動作をするので、光らせたときにどんな感じに見えるか試すにはうってつけだ。ちなみに現時点ではATXマザーのみの対応で、microATXやMini-ITXは実装されていない。

ビデオカード

 GPUはGeForceならGTX 960より上と現行GTX 10シリーズの全モデル、RadeonならRX 470~Vega 64までの準ハイエンド&ハイエンドモデルから選択可能。メーカーはマザーボードと同様にMSIとGIGA-BYTEが中心だが、とくにMSIはOCの設定違いモデルや、限定の色違いモデルなどが利用できる。SLIやCrossFireX構成(2-way)も選択できるが、GTX 1070以降のカードを使うとちゃんとSLI HB ブリッジを使う辺り、実にリアルだ。

CPUクーラー

PCケース

KTU、第2のキャリアをPCBSで模索する。依頼をこなして新パーツやお金をゲット!

1日目「KTU の第2の人生、始まる」

 親戚から継いだ“PCお助けショップ”を大きくするのがプレイヤーである私の仕事。すでに付いている客からメールで仕事が舞い込んでくるのは営業が苦手の筆者にはありがたい。最初の仕事はPCのウイルス駆除。Windows Defenderも入れていない情弱ばかりの世界かよと絶望しつつも、わずか5分程度の作業で報酬が100ドルというコスパのよい仕事。仕事を終えたら即座に次のオファーがメールされてくる。とりあえずはこの調子でどん
どん仕事を回していきたい。

 PCBSのキャリアモードをうまくこなしていければ、ライターを廃業しても、同種のビジネスでうまく成功できそうな気がする……。

仕事の依頼はすべてメール。初仕事はウイルス駆除だけというイージーなもの。自作PC道にどっぷり使った筆者にはヌルい依頼だが、まずは小さいことからコツコツいこう
依頼を受けるとPCが廊下に届けられる。現実世界でも編集部から山のようにPCの箱を送りつけられるのは日常茶飯事。置き場所にも限界があるのでサッサと片付けたい
届いたPCを作業台に置いて、まずは起動確認。そのためには各種ケーブルをPCに一つ一つ全部つなぎ、その上でパワーONという手順を踏まなくてはならない。変なところでリアルなのが笑える
USBメモリからアンチウイルスソフトをインストールし、感染ファイルを削除すれば作業終了。あとはメールで仕事完了を報告すれば、即座に入金される。日銭が入るのはありがたい

5日目「プロフェッショナルの美学」

 メモリを16GBに増設する依頼を受けたが、受け取ったPCに挿さっていたメモリは2GB×1枚だけ。この場合4GB×4枚と8GB×2枚のどちらでもゲームの目的は達成できるが、自作PCのプロとして、無用なトラブルを招きかねない4枚フル装備を選ぶのは不正解である! 当然設置する際はデュアルチャンネル動作になるよう、遠いスロットから挿す。いかなる依頼にもプロフェッショナルの美学を持って挑むのだ。

メモリ増設依頼を受けたPCは今時のゲーミングPC風ケースなのに2GBモジュール1枚という超アンバランスな構成。16GBに増設するには、この2GBを外して新規増設が一番だ
メモリを16GBにするのに4GB×4と8GB×2が同じ値段で仕入れられるが、自作PCの常識として4枚挿しより2枚挿しのほうがベター。モジュールはクロックを抑え、利益を最大化するのを忘れずに
メモリ装着時にはメモリ両脇のクリップを開けてから装着する。この依頼ではZ170マザーなので、メモリはCPUから遠い側から1本おきに同容量のものを装着する。金のかからない美学はどんどん実行すべきだ

本誌告知

 このプレイ日誌の続きは、5月29日発売のDOS/V POWER REPORT 7月号をご覧下さい。フリービルドモードの解説や、実際のPCとゲーム内で作ったPCで3DMarkのスコアを比べたりしています。また、特集「パーツ交換でPCをもう3年使う~メーカー製PCも自作PCもめんどう見ます~」も読み応えたっぷり。3年前、5年前の古いPCのパーツを交換することで、より長く使い続けるテクニックについて解説します。自作PC、メーカー製PCを問わずに使えるテクニックを満載した本特集をぜひご覧ください。