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PC Building Simulator はこう遊べ!
~“PCを自作するPCゲーム”にハマる
2018年5月29日 06:00
熟練した自作派ほどそのリアルさに唸る出来
TEXT: 加藤勝明(KTU)
PCの中で街の建築や乗り物の操縦などを扱う、いわゆる“シム系”のゲームにはこれまでさまざまなものがあったが、なぜかPCに関連するゲームは少ない。だが4月にリリースされた“PCBS”こと『PC Building Simulator』は、自作PCの組み立てをテーマにしたPCゲームなのだ。
PCBSの遊び方は、PCパーツ交換と組み立てを通じてPCの修理やメンテナンス事業を大きくする“キャリアモード”と、自由にPC自作を楽しむ“フリービルドモード”の2種類がある。
自作PCを組んだ経験があれば、あとは簡単な操作を覚えればガンガンPCを組んでいける。たとえば『Minecraft』ではレシピを覚えなければ松明をともすことすら難しいが、自作派ならPCを動かすには何が必要か、レシピは身体で覚えている。そしてゲーム内で発生するイベントも、PC自作経験者ならニヤリとするものばかり。PC自作の手練はもちろんだが、これからPCを自作する前に見栄えを確認したい人、おぼつかない作業手順を再確認したい人にもオススメだ。
キャリアモード | フリービルドモード |
---|---|
PCのメンテ事業を拡大するのが目的 | 純粋にPC自作を楽しむモード |
プレイヤーレベルで新パーツが解放 | どんなパーツも自由に使える |
資金や納期の制約の中で自作する | レベルや資金の概念は存在しない |
ネジ止めやケーブル接続は基本手動 | ネジ止めや配線は最初から自動化可能 |
あのパーツがゲーム内に登場!
PCBSには現実のPCパーツメーカーが多数協賛しており、ゲーム内のモデリングも現実の製品と見紛うばかりのものが収録されている。もちろん全メーカーが協賛しているわけではないし、ゲームシステム的に対応していないパーツ(原稿執筆時点ではM.2 SSDなど)もある。だがリリース当初は非対応だった簡易水冷クーラーが利用可能になるなど、アップデートを経るたびに登場するPCパーツの幅が拡がってきている。
また、日本国内ではなかなか入手できないEVGAなどのメーカー品も比較的自由に使えるのがうれしい。憧れのあのPCケースやビデオカードでマシンを組んだらどんな雰囲気になるのか、想像しながら遊んでみるのもよいだろう。
CPU
HDDやマザーボードは架空のメーカー品も多いが、CPUだけは現実にあるモデルのみが登録されている。IntelならSkylake世代からCoffee Lakeまで、AMDならAPUを除くRyzen 第1世代および第2世代のCPUと、Threadripperが選択できる。今のところIntelのK付きモデルやRyzenなどでCPUのオーバークロックはできないが、現在OC 機能実装に向けた作業をしていると言う。
マザーボード
国内でおなじみのメーカーの中ではGIGA-BYTEとMSIのみが登録済みだが、海外の雰囲気を味わいたければ、EVGAのFTWシリーズをぜひ使ってみよう。RGB LED対応マザーは発光機能も本物の雰囲気に近い動作をするので、光らせたときにどんな感じに見えるか試すにはうってつけだ。ちなみに現時点ではATXマザーのみの対応で、microATXやMini-ITXは実装されていない。
ビデオカード
GPUはGeForceならGTX 960より上と現行GTX 10シリーズの全モデル、RadeonならRX 470~Vega 64までの準ハイエンド&ハイエンドモデルから選択可能。メーカーはマザーボードと同様にMSIとGIGA-BYTEが中心だが、とくにMSIはOCの設定違いモデルや、限定の色違いモデルなどが利用できる。SLIやCrossFireX構成(2-way)も選択できるが、GTX 1070以降のカードを使うとちゃんとSLI HB ブリッジを使う辺り、実にリアルだ。
KTU、第2のキャリアをPCBSで模索する。依頼をこなして新パーツやお金をゲット!
1日目「KTU の第2の人生、始まる」
親戚から継いだ“PCお助けショップ”を大きくするのがプレイヤーである私の仕事。すでに付いている客からメールで仕事が舞い込んでくるのは営業が苦手の筆者にはありがたい。最初の仕事はPCのウイルス駆除。Windows Defenderも入れていない情弱ばかりの世界かよと絶望しつつも、わずか5分程度の作業で報酬が100ドルというコスパのよい仕事。仕事を終えたら即座に次のオファーがメールされてくる。とりあえずはこの調子でどん
どん仕事を回していきたい。
PCBSのキャリアモードをうまくこなしていければ、ライターを廃業しても、同種のビジネスでうまく成功できそうな気がする……。
本誌告知
このプレイ日誌の続きは、5月29日発売のDOS/V POWER REPORT 7月号をご覧下さい。フリービルドモードの解説や、実際のPCとゲーム内で作ったPCで3DMarkのスコアを比べたりしています。また、特集「パーツ交換でPCをもう3年使う~メーカー製PCも自作PCもめんどう見ます~」も読み応えたっぷり。3年前、5年前の古いPCのパーツを交換することで、より長く使い続けるテクニックについて解説します。自作PC、メーカー製PCを問わずに使えるテクニックを満載した本特集をぜひご覧ください。
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