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HoloLensで迫り来る“巨大ゴジラ”を日比谷で体験
2018年5月24日 12:37
日本マイクロソフトと東宝は、東京・日比谷の日比谷ゴジラスクエアにおいて、Microsoft AzureのAIサービスと、Mixed Realityデバイス「Microsoft HoloLens」を活用して、ゴジラを体験できる「Godzilla Nights(ゴジラナイツ)」を、5月24日から一般公開するのにあわせて、その様子を報道関係者に公開した。
Godzilla Nightsは、Microsoft HoloLensを活用した日本初の屋外アトラクションイベントと位置づけられ、日比谷シャンテ前の広場「日比谷ゴジラスクエア」で開催。参加者が、Microsoft HoloLensを装着すると、118.5mの身長を持つゴジラが、圧倒的な存在感で迫り、まるで目の前にゴジラがいるかのような体験ができる内容になっている。
映画「シン・ゴジラ」に登場する巨大不明生物特設災害対策本部(通称:巨災対)の一員となって、巨災対が立案するミサイルによる日比谷防衛作戦を、まるでその場にいるかのような臨場感で体験することができる。
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ここで使用するMRアプリケーションは、Microsoft Azureで提供されるAIサービスと連携し、Microsoft Cognitive Servicesの音声認識を通じてユーザーの声に反応。Bot Serviceにより、音声チャットボットが可能になり、利用者が発するミサイル発射を制御する音声認識や、防衛戦確認のさいの自然言語処理などが行なわれるという。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Microsoft 365 ビジネス本部の三上智子本部長は、「Microsoft HoloLensによって、これまでは夢のような世界が現実になる」と前置きし、「Godzilla Nightsでは、第1部で日比谷コジラ迎撃作戦戦略会議を行ない、ここでは、ホワイトボードや紙に書くアナログ情報も、デジタル情報に置き換えて、利用することができる。
第2部として、日比谷ゴジラ迎撃作戦を実行し、音声認識機能により、参加者のミサイル発射の声でミサイルをゴジラに対して撃つことになる。これによって、退治すればミッション遂行完了になる」とした。
なお、一般公開は、5月24日~5月29日までで、午後6時30分~午後9時まで。1日限定で最大25人が参加でき、会期中合計で140人が体験できる。参加はキャンペーンサイトで募集したが、すべてに締め切っている。
「今回、数多くの人に申し込みをいただいた。これだけ多くの人に申し込んでいただいたことに可能性を感じた」(三上本部長)とした。
米Microsoft Mixed Reality Studiosのロレイン・バーディーンゼネラルマネージャーは、「Microsoft HoloLensは、たいへんな盛り上がりを見せており、さまざまな業種で利用されている。日本では、MRを活用した働き改革に取り組んでいる例もある。
また、日本のエンジニアリングチームは最先端テクノロジに慣れており、日本でのコミュニティにも勢いがある。そして、日本は、コンテンツIPの世界的リーダーであり、ゴジラのようなキャラクターと、そこに最先端のテクノロジを組み合わせることで新たな体験を実現できた。今回は、HoloLensを活用した世界初の屋外型アトラクションであり、これを通じて、本当のゴジラに会えるのを楽しみにしてほしい」とした。
Godzilla Nightsは、日比谷シャンテとゴジラを、AIとMRで変革するプロジェクト「HIBIYA 2018」として行なわれており、日比谷シャンテでは、近未来の消費体験「Future Retail」も実施している。
日比谷シャンテの地下2階の休憩スペースにデジタルサイネージを設置し、休憩スペースに滞在している来店客の年齢、性別、表情をMicrosoft Cognitive ServicesのAIが分析。最適な映画の予告編を自動編成して放映する。
「シャンテ シネマヴィジョン」と呼ばれるこの仕組みでは、アロバの「アロバビューコーロ」を使用。サイネージに表示する仕組みはモメンタムジャパンがサポートする。
「東宝は、日比谷ミッドタウンに日本最大の13スクリーンのTOHOシネマズをオープンしており、映画を鑑賞する人と、最新映画のマッチングが複雑になっている。最適な映画を提案する仕組みとして活用したい」(同社)としている。
また、日比谷シャンテ内の店舗の椅子などにセンサーを設置したり、監視カメラの映像などを分析。Microsoft Azureで提供するリアルタイム空席管理データベースを通じて、館内に設置するデジタルサイネージに、各店舗の混雑状況を表示するサービスも行なう。
バカンの空席検索プラットフォーム「Vacant-First Platform」を活用。画像分析やセンサーによって取得した空席情報を、Cosmos DBを活用してデジタルサイネージに空き情報が表示する仕組みだ。
同サービスは、すでに横浜高島屋やジョイナスに導入されており、今後、ほかの商業施設に展開していく予定だという。さらに、地下2階の一部店舗では、注文および支払い待ち時間がない飲食体験も提供する。
ボクシーズが開発した「Putmenu」と、シャープ製のPOSを連携。スマートフォンのアプリで、注文から会計までを行なうことができる。まずはリンガーハットが導入。ここでは、Microsoft Translatorにより、12言語でアプリを操作することが可能であり、また、オーダーデータや来店客による評価は、Azureのデータベースに格納して、マーケティングなどに活用できる。
なお、同サービスは、すでに、イオンモール幕張新都心店やハウステンボスの一部の店舗に導入している。
日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズビジネス本部の浅野智本部長は、「AIを活用することで、コンシェルジュ、リアルタイムレコメンデーション、レジレスを提供することを目指した。
コンシェルジュとしては、さまざまな人の情報をもとに、特定の人に映画を提案するという新たなサイネージの活用方法を提示することになる。AIが自分のことをどう判断しているのかということを客観的に知る方法にもなる。
2つ目のリアルタイムレコメンデーションでは、空席情報を提供することになる。飲食店を選ぶときに、72%の人が入店時に待たないことを理由に挙げている。とくに映画や演劇がはじまる時間を気にするとなおさらである。
もっと食事を楽しんでもらいたいと思っており、そのための新たな提案になる。映画や演劇の鑑賞前の短い時間でも、快適に食事をとることができる。そして、最後のレジレスでは、店舗の近くに行くとスマートフォンにメニューが表示され、そこから注文ができ、決済もできる。注文0分、会計0分、待ち時間0分を実現することで、食べることに集中することができる」とした。
東宝の太古伸幸専務取締役は、「東宝グループは、中期経営計画のTOHO VISION 2021で、ゴジラをはじめとしたキャラクタービジネスをグローバルに展開していくことや、不動産事業においても日比谷の街づくりを積極的に行なっていくことを掲げている。
3月23日に、日比谷シャンテも大規模なリニューアルを実施し、日比谷の街は大きく変わり、たいへんな賑わいを見せている。広場には、新たなゴジラ像を作り、広場も日比谷ゴジラスクエアと名称を変更した。外国人観光客にも人気である。
今回のイベントは当社に大切なIPであるゴジラと、東宝のホームグランドである日比谷を組み合わせたものであり、重要なものになる。MRやAIを活用して、新たな楽しみ方を提案できたり、近未来のショッピング体験が可能になる。今後、最先端テクノロジを活用した新たなエンターテイメント体験に関して、研究やチャレンジをしていきたい」と述べた。
また、東宝 不動産経営部 東宝日比谷ビル営業室長の安武美弥氏は、「日比谷シャンテは、3月のリニューアル以降、入館者数が前年比倍増しており、売上は3割増となっている。日比谷は東宝の創業の地であり、さらに、宝塚劇場や日生劇場、帝国劇場などの歴史のある劇場がある。
日比谷ミッドタウンのオープンにあわせて、来館者が増加している。東宝も、日本最大の13スクリーンのTOHOシネマズを日比谷ミッドタウンのなかにオープンしており、この場所が、日本のブロードウェイとして、『日比谷ブロードウェイ』という形へと進化している。
だが、映画や劇場の終演時間には、レストランや店舗が急に混雑するといったことがある。日比谷を訪れた人たちの大切な時間を、快適に過ごしてもらうようにした。新たな体験をしてもらうことで、日比谷ブロードウェイを楽しんでもらいたい」と語り、「今回のFuture Retailはトライアルであるが、いかにお客様に楽しんでもらうかが大切であり、減少傾向にある商業施設に来て、購入してもらうということを活性化したい。今後も新たなテクノロジを活用して取り組みには、継続的にトライアルしていきたい」とした。
日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズビジネス本部の浅野智本部長は、「日本マイクロソフトは、日比谷の街において、どうやって新たなライフスタイルの革命を行なえるかを考えてきた。日比谷の新たな街づくりにAIなどを使い、近未来の購入体験と新たなエンターテイメントを提供する」とした。
日本マイクロソフトは、今後、東宝のITパートナーとして、東宝の取り組みを支援していく姿勢を示した。
以下、写真でGodzilla NightsおよびFuture Retailの様子を紹介する。