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HP、無重力環境下に対応するプリンタを開発
2017年11月6日 18:34
米HPは2日(現地時間)、「Future Powered by Reinvention」と題したイベントを開催し、このなかで、無重力環境下に対応するプリンタを開発すると発表した。
2016年にアメリカ航空宇宙局(NASA)は、「HP ZBook モバイルワークステーション」を国際宇宙ステーション(ISS)に向けて打ち上げ、補充分を含めた約120台の同製品が、ミッションの任務や作業を支援するために設置される。
そして2017年にNASAはISSに設置されている既存の印刷機能を置き換える次世代プリンタとして、「HP OfficeJet 5740」を採用。HPはこの決定を受け、ISSでの利用に特化した「HP ENVY Zero-Gravity Printer」を開発したという。
HP ENVY Zero-Gravity Printerは既存製品をもとに、ISSでプリンタを安全に稼働させるためにNASAが提示した、無重力状態での紙の管理、難燃性プラスチックの採用、無重力状態での廃インク管理、ガラス除去、有線および無線での接続、0/90/180/270度といった向きでの印刷、そしてさまざまな環境試験といった、さまざま要件が盛り込まれている。
このため、HP ENVY Zero-Gravity Printerでは、製品の再設計に加えて、特殊素材や3Dプリンタで造形された部品を使用することで、これらの要件を満たしたという。このプリンタは2018年2月に予定されている「Space-X 14」に搭載され、ISSに打ち上げられる予定。
ISSの搭乗員は1カ月にすべてのプリンタで合計約2連の紙を印刷するとしており、そのなかには緊急時用の電子書籍や帰還軌道の一覧、予定表といったものから、家族からの手紙や写真といった個人的なアイテムも含まれている。