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機械学習高速化APIなどを追加したAndroid 8.1、開発者プレビューが公開

機械学習高速化APIなどを追加したAndroid 8.1、開発者プレビューが公開

 Googleは25日(米国時間)、機械学習向けAPIの追加や、軽量版Android Go向けの最適化を行なった「Android 8.1」の開発者向けプレビューを公開した。利用可能な環境は、Nexus 5X/6P、Pixelシリーズ、エミュレーターなどで、12月に正式版が提供される予定だ。

 新たに追加されたニューラルネットワークAPI(NNAPI)は、機械学習のハードウェアアクセラレータを利用可能とするもの。モバイルデバイスにおいても、機械学習はCPUには荷が重い処理を行なうため、「Kirin 970」や「Apple A11」のように、「深層学習コア」を搭載することがトレンドとなっているが、そうした高速化ユニットをサポートしたものだ(過去記事"iPhone Xの深層学習コア「Neural Engine」の方向性"や"HuaweiのAI内蔵CPU「Kirin 970」はスマホの進むべき道を示す重要な製品だ"も参照)。

 さらに、NNAPIは機械学習ライブラリやフレームワークから呼び出されることを前提とする。代表的な機械学習ライブラリであるTensorFlowなどの下位レイヤとして動作することで、開発者は特別に意識せずともハードウェアアクセラレーションの恩恵を受けることができる。

 ハードウェアアクセラレーションを受ける小型の端末内でビデオ処理など、即時性の高い処理が高速、低消費電力で可能となる。また、端末内で処理が完結するため、パブリックカメラのようなプライバシーへの配慮が必要な用途にも好ましいという。

 メインメモリ1GB以下の低メモリ端末でも快適に動作することを謳う「Android Go」のサポートの拡張も含まれており、低メモリ端末であることを明示する定数が追加された。"低メモリ端末版のAPK"を作製するなどのゾーニングが可能となり、低メモリ端末のユーザーエクスペリエンスが向上するという(Android Goについては"Google、メモリ1GB以下のデバイスで動作する軽量版OS“Android Go”") 。

 開発者向けプレビューはベータプログラムに登録していればOTAとしてインストール可能なほか、イメージとしてもダウンロードすることができる。