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リチウムイオンの15倍。カーボンナノチューブを使った超高容量な「リチウム空気電池」

 国立研究開発法人物質・材料研究機構は5日、従来のリチウムイオン電池の15倍に相当する高い蓄電容量を実現したリチウム空気電池を開発したと発表した。

 現状のリチウムイオン電池は、小型で高電圧、長寿命だが、蓄電容量に相当するエネルギー密度がほぼ限界に達している。そういったなか、リチウム空気電池はあらゆる二次電池のなかで最高の理論エネルギー密度を持つ「究極の二次電池」とされ、蓄電容量の劇的な向上と大幅なコストダウンが見込まれる。

 これまでは、少量の材料での電池反応を調べる基礎研究が中心だったが、空気極材料にカーボンナノチューブを用い、空気極の微細構造などを最適化することで、リチウムイオン電池の2mAh/平方cmに対して15倍となる、30mAh/平方cmという蓄電容量を実現した。

 今後は、セルを積層したスタックの高エネルギー密度化や、空気から不純物を取り除くなどの研究を進める。