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女子高生AI「りんな」、人工知能と人間の感情共感に関する研究に使われる

~日本マイクロソフト、エム・データ、大阪大学が分析研究

 日本マイクロソフト株式会社、株式会社エム・データ、国立大学法人 大阪大学の3者は、人工知能がどのように人間の感情を共有できるかを実証する産学連携の共同研究を、12月21日より実施する。

 人工知能の実践的な活用が広がる中で、人工知能は命令に従って答えを返すものから、自らが主体的に人間に関わり、アシストする形に変わってきている。そういった中で、アンドロイドや介護ロボット、りんなのように、ユーザーに寄り添い、自らニーズを発見し主体的に人間のニーズを満たしていくような人工知能が求められつつある。3者は、ユーザーの感情を読み取って共有、共感することは、今後人工知能に必須な技術であると考え、研究開始に至った。

 研究の一環として、女子高生AIりんなに、エム・データが提供するTV番組や、番組内で紹介された商品などのメタデータを取り込み、LINEユーザーとのやり取りで活用。芸能人がTVで紹介したおすすめスポット情報を提供する「芸能人聖地巡礼」などの新能力を提供する。

 この能力を実現するにあたって、エム・データが保有する2006年以降に東京エリアで放送された全地上波放送局の24時間放送番組データ、CMデータ、および2015年以降の全番組内で紹介された商品、レストラン、ホテルに関する商品やサービスに関するデータを活用する。

 そしてりんなとユーザーのやり取りや、ユーザーの感情を分析し、りんなの会話に順次反映。大阪大学 大学院情報科学研究科 マルチメディア工学専攻ビッグデータ工学講座(鬼塚研究室)の荒瀬由紀准教授が中心となり、ユーザーの感情をポジティブ、ネガティブ、あるいはさらに複雑なマトリックスに分類した上で、TVメタデータを基に、ユーザーが番組や芸能人に対して抱く感情を、人工知能がどのように把握できるかについて研究する。

 また、Microsoftが全世界で展開している産学連携プログラム「CERO連携研究プロジェクト」の1つとして、Microsoft Researchと連携し、ユーザーの感情に対して人工知能の適切な返答はどうあるべきか、どう返答すればユーザーと人工知能が感情を共有しやすくなるのかについても研究/分析していき、りんなの会話能力に随時反映しながら、2017年以降の論文発表を目指す。

分析のイメージ