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HP、世界初のメモリドリブン型コンピュータの実証実験に成功

~メインメモリとストレージが融合する新アーキテクチャ

 米Hewlett Packard Enterpriseは11月28日(英国時間)、世界初のメモリドリブンコンピュータの実証実験に成功したと発表した。

 メモリドリブンコンピュータは、従来のアーキテクチャと異なり、コンピューティングの中心にCPUではなくメモリを位置付ける。具体的には、CPUの下にメインメモリ、ストレージが階層的に接続されるのではなく、従来のRAMとストレージを兼ねるユニバーサルメモリと呼ばれる大容量の不揮発性メモリにSoCをフォトニクス技術を用いて高速な接続をすることでI/Oにおけるボトルネックを解消する。1台のマシンにとどまらず、データーセンタースケールで実現する。

 同社によると、”The Machine”リサーチプログラムの一環として開発されたこのプロトタイプは、ソフトウェア開発ツールを用いたシミュレーションでさまざまなタスクで従来のコンピューターの8,000倍高速に計算できることが判明しており、実際のハードウェアでもより多くのノードとメモリを増設することで同様の高速化が実現することを期待している。同社は、60年ぶりにコンピュータの基礎的なアーキテクチャを変革するとしている。

 同社はバイトアドレス可能でDRAMのような性能をもちつつ既存のストレージのような大容量を両立した不揮発性メモリや、フォトニクス技術の開発に取り組んでおり、その研究の成果を順次製品に反映させていく予定だ。