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蘭大、グラフェンを使った低電力ディスプレイ技術を発見

 オランダのデルフト工科大学の研究者は15日(現地時間)、炭素の同素体の1つであるグラフェンを用いた「変形する画素」を発表した。研究者はこの技術がディスプレイを従来のものよりも低消費電力にすることを期待している。また、グラフェンはあまりに薄く透明に近いため、従来のE-inkでは不可能だったバックライトの搭載が期待される。

 グラフェンは厚みが原子1個分の2次元シートで「変形する画素」はシリコン酸化皮膜に存在する無数の孔を2層のグラフェンで覆うことで作られる。孔を覆う2枚のグラフェンに異なる圧力をかけることによって生じた伸縮に応じて光が入射した後の距離が変わり、光の干渉を起こし、特定の周波数の光以外が打ち消し合って異なる色を表示するという原理だ。凹みは幅13μmほどで、この技術をセンサーに向けて開発していた実験中に偶然この効果が発見された。この効果は持続性があり、低消費電力が求められるE-inkディスプレイに好適だ。

 実用化にむけ、グラフェンが高価であることや、画素を電気的に制御する技術が必要であり、課題も多く残されている。