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Microsoft、クリエイター向けのハイスペック28型液晶一体型PC「Surface Studio」

Surface Studio

 米Microsoftは26日(現地時間)、クリエイター向けのハイスペック28型液晶一体型PC「Surface Studio」を発表した。米国での価格は2,999ドルより。

 クリエイター向けに設計され、できる限りのハイスペックをスタイリッシュな筐体に収めた一体型PC。コンテンツ制作において要となる液晶は、「PixelSense Display」と呼ばれ、3,840×2,160ドットの4K解像度(約830万画素)よりピクセル数が約63%多い、アスペクト比3:2の4,500×3,000ドット(約1,350万画素)28型液晶を採用する。画素密度は192dpiに達する。

 Microsoft Officeは、このPixelSense Display向けに最適化されており、A4用紙を完璧に1:1のスケール(つまり実寸大)で表示できる「True Scale」が利用できる。また、DCI-P3とAdobe RGBに準拠した色空間をサポートしているが、アクションセンターのボタン1つですぐにsRGBの色空間に切り替えることができる。

 これは、クリエイターが映像コンテンツを制作する際はDCI-P3やAdobe RGBだが、実際コンテンツを観るユーザーはsRGB準拠のディスプレイが多いためで、クリエイターが容易にユーザーの立場に立ってコンテンツの出力結果を確認できるようにしている。

 機能面で素晴らしい液晶なのだが、デザインにもこだわっており、10点同時タッチ対応のタッチスクリーンを内蔵しながら、厚さ12.5mmという、ディスプレイ単体としてもかつてない薄さに仕上がっているという。

 もう1つ特徴的なのは「ゼログラビティヒンジ」と呼ばれるヒンジ。指一本でディスプレイを軽々チルトさせることができ、接地面から20度の傾斜にまで倒すことができる。Surface StudioはほかのSurfaceシリーズと共通の「Surfaceペン」に対応しており、ペンで画面に直接書き込めるのだが、角度を付けることで書きやすさを向上させられるわけだ。

ディスプレイは12.5mmという薄さ
ゼログラビティヒンジで倒すことができる
4,500×3,000ドット表示対応の28型液晶
DCI-P3色空間をサポートする
アクションセンターのボタン1つでsRGBに切替可能
OfficeではA4用紙を完全に1:1で表示できる

 オプションで新たに用意される「Surface Dial」も特徴の1つ。プッシュボタンとダイヤル機能を持ったこの無線デバイスは、プッシュでメニューを呼び出し、ダイヤルにさまざまな機能を割り当てて切り替えて操作する。例えばオフィス文書ではダイヤルを単純なスクロールや拡大/縮小に使えるのだが、ペイントソフトではダイヤルで色や筆の大きさを変えると言った機能に割り当てられる。

 特に後者の場合、利き手のペンで描きながらもう1つの手でダイヤル操作ができるため、ペンの色や大きさをリアルタイムに変えながら描くといった操作が容易にできるようになり、コンテンツにおける表現力を大幅に向上させることができる。

Surface Dialを用いれば、利き手で描きながらダイヤル操作で色変更が可能
オフィス文書では、ダイヤルを回転させて、ペンで書き込んだ筆跡を再現することも可能

 もちろん、コンテンツ制作に必要なコンピューティングパワーも備えており、CPUにはクアッドコアの第6世代Core i5/i7(型番非公開)、メモリは8GB/16/32GB、GPUにはNVIDIAのGeForce GTX 965M(2GB)またはGeForce GTX 980M(4GB)を搭載。ストレージは1TBまたは2TBのハイブリッドドライブ、OSはWindows 10 Pro。

 これらのスペックを、270Wの高性能電源とともにベース部分に格納しており、ほかのデバイスを無線で接続すれば、電源ケーブル1本だけでスマートに駆動させることができる。

最高構成ではGeForce GTX 980Mを搭載
270Wの電源も内蔵し、ケーブル1本で駆動可能

 このほかインターフェイスとして、USB 3.0×4、SDカードスロット、Mini DisplayPort、Gigabit Ethernet、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0、500万画素前面/フルHD+オートフォーカス対応背面Webカメラ、Windows Hello対応カメラ、Cortanaに最適化したマイクアレイ、TPMセキュリティチップなどを搭載する。

 本体サイズはディスプレイ部が637.35×12.5×438.9mm(幅×奥行き×高さ)、ベース部が250×220×32.2mm(同)となっている。重量は9.56kg。

 なお、現時点の米国での予約価格は、Core i7/メモリ8GB/ストレージ1TB構成が2,999ドル、Core i7/メモリ16GB/ストレージ1TB構成が3,499ドル、Core i7/メモリ32GB/ストレージ2TB構成が4,199ドルとなっている。

【12時修正】Microsoftが当初掲載していたラインナップの構成が書き換えられたため、修正いたしました。