藤山哲人と愛すべき工具たち
6連リボルバー式の電ドラ「ドリボルバー」を試してみた
~組み立て家具や自作PCに1台あると便利
2018年4月23日 06:00
今回使用する工具
・サンコーが販売する電動ドライバー「ドリボルバー」今回紹介するのは、アキバで変なもの売り続けて(笑)15年のサンコーレアモノショップから発売されているリボルバービット交換電動ドライバー「ドリボルバー」。
えっと、どこからツッ込んだらイイっすか?
「ドリボルバー」と濁音率60%のイカすネーミングは、アニメに登場しそうな最強で最凶な武器名みたいでシビれます! ただし本製品、穴あけの「ドリル」要素は一切なく、純粋無垢な電動ドライバーという点に注意。「ドリ」は、どこから持って来たんじゃ! なーんてツッ込んだら負けというトラップも。
ドライバービットを6連装弾!リボルバーでシメたるぜ!
電動ドライバーで一番厄介なのは、先端のドライバービットがどこかに行っちゃうこと。専用ケースなどもあるけれど、ちょっと細いプラスに変えて……なーんてやってると、ネジにまぎれて元の太いプラスドライバーがどこかに行っちゃう。
でもドリボルバーは、今まで使っていたドライバービットを自動でシリンダに格納できるから、ドライバービットがなくならない。その操作方法は、ショットガンや自動拳銃に初弾を装填するがごとく、銃身をスライドさせるだけ。カッコよすぎるだろ! これでビットをシリンダに格納できるのだ。
しかも先端のドライバービットを切り替えるには、シリンダを回して装填されているドライバービットを選び、再びスライドを元に戻せばいい。
また、選んだドライバービットが、小さな覗き窓から見えるようになっているのも○。ただプラスチックレンズなので、映像がゆがんで見えしまうので、色を塗ったり番号を振ると使いやすくなるはず。付属のドライバービットは全部で6種類。
トルクスは、バルクのHDDなどで見かける分解防止ネジ。大きさは10番なので、まさにHDDの分解用にピッタリだ。
マイナスは、最近あまり用途はないが、おじいちゃん、おばあちゃんの住んでいる古い家だと、壁コンセントがマイナスネジだったりするぐらいだろう。
残るプラスは、太いプラスが2つと、細いプラスが1つある。日本で一般的に使われているJIS(ISO)規格のプラスねじは、PH2で代用OK(JIS規格ピッタリのドライバービットは別売)。
PZはIKEAの家具(おもにヨーロッパ系)などで使われている「ポジドライブ」というネジ用。これは日本の標準的なプラスネジと互換性がないので、日本のネジに対してこのドライバービットを使うと、ネジの頭を潰してしまうので要注意。IKEA家具の組み立て用と思っていいだろう。
ドライバービットを買い揃えて国内仕様にカスタム!
さてプラスドライバーとネジの組みあわせは、面倒で海外製の電動ドライバーを購入すると、JIS規格用のドライバービットが付属していないなんてよくあること。プラスの太いネジはフィリップス2(PH2)で代用可能だが、規格はキッチリあわせたいというキチントさんは、JIS規格のドライバービット#1、#2を別途購入したい。
そもそもこのドリボルバーには、細いプラスネジに対応できるビットが付属していないので(PZ1を使うとネジ頭が潰れやすい)、#1またはPH1は必ず揃えたい。Amazonなどの通販サイトで「ドライバービット 25mm PH1」と検索すればいい。#1は小さいプラスネジ、標準的なプラスネジは#2となる。だいたい1個300円ぐらいだ。
また自作PCの組み立てなどで使う場合は、長軸のドライバーが必要になる。こんなときは「ドライバービット 長軸 PH2」と検索するといい。このとき両方がネジになっているビットではなく、片側のみビットになっているものを選ぶこと。
よく使うドライバービットをシリンダーに装填
購入した25mmのドライバービットは、シリンダに装填できる。よく使うドライバービットは、シリンダに装填しておくといい。PCの組み立てをするなら、こんなビットのセットがいいだろう。
【表】PC組み立てに揃えたいドライバービット | |
---|---|
PH1 | 細いプラスネジ用 |
PH2 | マザーボードを固定するインチネジ用 |
T10 | HDD分解用(笑) |
H5 | 六角レンチのよく使うやつ |
H3 | 六角レンチでツマミの固定でよく使われるやつ |
PH1と2の2つは必須として、あとは自分用にカスタムしてほしい。ポイントは6発装填できるが、1発は開けておくこと。こうすると、片付けるときにドライバービットがセットされていない状態にできるので、安全な上に、落としてビットが外れてしまうこともない。
また長軸のドライバービットは、空いているシリンダを選んで、ドライバーの先から差しこむといい。
なおシリンダは、ドリルをスライドさせ左側に押し出すとビットの交換ができるほか、シリンダ自体を抜くこともできる。
本格的な電動ドライバーに迫る使い勝手
本体内にはリチウムイオン電池を内蔵しているので、専用の充電器を使い3時間ほどでフル充電できる。木工などで大きなトルク(回転力)を使う場合でも、棚1つぐらい作るぐらいは使えそうだ。
重心はグリップ近くにあるので、さほど重さも感じず、握った安定感もある。また自然に指がトリガーにかかる感じは使いやすい。
側面にあるボタンは正転・トリガロック・逆転ボタン。中央にしておくとセーフティがかかり、トリガが動かなくなる。また充電中も安全のため回転しない。なおトリガはオン/オフの2段階で、速度調整はできない。さすがに4,000円のドライバーにそこまで求めるのは心苦しい(笑)。
いっぽう上部のインジケータは、電池残量を示し30%きざみで残量がわかる。
ある程度ネジを閉めると回転が伝わらないようにするクラッチ機構はない。トリガを離すタイミングが難しいかもしれないが、数本もネジを閉めればコツもつかめるだろう。また回転も少し遅めになっているので、初心者にも使いやすい。
加えてドライバーの先端を照らすLED内蔵で、自作PCの組み立てや倉庫などでの暗がりの作業も楽チン。