PC短評
仕事用?遊び用?……境界消滅。OneXPlayer X1 Airの“全部使える感”がすごい
2025年11月25日 06:08
One-Netbookの「OneXPlayer X1 Air」は、CPUにLunar LakeことCore Ultra 200Vシリーズを採用した、キーボード/ゲームコントローラ着脱式の“3in1”だ。現在発売中で、価格は17万8,000円から22万8,000円となっている。今回、最上位のモデルをお借りしたので、簡単にレビューしていこう。
OneXPlayer X1 Airは、2024年に投入したCore Ultraシリーズ1搭載の「ONEXPLAYER X1」の後継となる3in1だ。製品としての“本質”は、コントローラを左右に備えたポータブルゲーミングPCなのだが、このコントローラが着脱可能なため、本体単体でタブレットとして利用可能。そして着脱式のキーボードも付属するため、ノートPCのような形態で使うことも可能であることから、3in1として定義されている。このユニークな形態はOneXPlayerシリーズならではだ。
コントローラやキーボードなど周辺の基本的な使い勝手に関しては、旧モデルをほぼそのまま踏襲しており、特筆すべき点はない。本機で注目したいのは、CPUがCore Ultra 200Vになったことで内蔵GPUの性能が大きく引き上げられていること、従来マグネット式の背面カバー兼キックスタンド(ブラケット)が廃止されてキックスタンドが内蔵になったこと、そしてOCuLinkの代わりにMini SSDスロットがついたことだ。
まずCPUだが、従来最上位モデルに搭載されたCore Ultra 7 155Hは16コア/22スレッドのCPU、そして最大2.25GHzで駆動する8基のXeコアを内蔵したIntel Arc Graphicsだった。これがCore Ultra 7 258Vでは、8コア/8スレッドのCPU、最大1.95GHzで駆動する8基のXe2コアを内蔵したIntel Arc 140Vに変更されている。
CPUのコア数の減少に伴い、CPUのマルチコアのスコアはむしろ下がっているのだが、本機がメインとするゲーム用途ではシングルコア性能が効いてくるため、実際は上がっている。
そしてGPUだが、こちらもアーキテクチャの進化により、スコアが向上しているのが確認できる。従来モデルでTDPを35Wに設定して出せるスコアが、本機では17Wでほぼ同等以上、30W設定では25%~35%向上するのはなかなかだ。
続いてキックスタンドの内蔵化に伴うブラケットの不要化だが、これは結構大きい。従来モデルは本体のみで実測801gとそこそこ軽かったが、ブラケット込みだと961gとなり、コントローラも同時にとなると1,082gに達し、手に持ってプレイするには重かった。もちろん、ブラケットなしであれば922gに抑えられるが、ゲームプレイに疲れて息抜きしたい時に卓上に置く際にちょっと不便だった。
一方OneXPlayer X1 Airは本体だけの場合の重量は約837g(実測で832g)となり、コントローラ込みでも997g(コントローラ公称値160gをプラス、実測では953g)と1kgを切る。つまり、従来モデルと同様の使い方で100g近く軽くなるわけだ。
最後にOCuLinkの廃止とMini SSDの採用だが、これは素直に歓迎していいだろう。というのも本機の場合、OCuLinkでビデオカードを拡張するよりも、USB4経由のほうが機動性が高く現実的だからだ。加えて、本体を分解せずにストレージ容量の拡張が可能なのは、多くのゲームを入れて持ち運びたいユーザーにとってうれしいポイントだといえる。
一見従来モデルと大差はないが、地味なアップデートを重ねてきたOneXPLAYER X1 Air。Core Ultra 7 200Vシリーズの採用によるバッテリ駆動時間の延長やCopilot+ PCの対応なども見逃せないポイントである。ディスプレイがネイティブポートレートである点や、コントローラ接続時にUSB4が1基使えなくなる点など、従来モデルの弱点は引き継いでしまっているところもあるが、画面が大きく、コントローラを外せば普通のノートPC代わりとしてマルチに使える存在は唯一無二。“せっかく20万円近いPCを買うのだから、利用する機会が少しでも多いほうがいい”と考えているなら、本機は最有力候補だ。
































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