PC短評

Jasper Lake搭載でファンレスなミニPC「TENKU BOX PC PRO 2022」

TENKU BOX PC PRO

 株式会社天空の「TENKU BOX PC PRO 2022」は、CPUにJasper Lake世代のCeleron N5105を搭載したミニPCだ。直販価格はメモリ8GB/ストレージ256GBモデルが4万9,500円、メモリ16GB/ストレージ512GBモデルが6万500円。現在発売記念により、それぞれ10%オフの4万4,550円と5万4,450円で販売中。

 このところミニPC市場が盛り上がりつつある。これらの製品のほとんどはノートPC用プロセッサを転用することで小型化を実現している。大型デスクトップと比較すると絶対性能では劣るが、プロセッサの性能の底上げに加え、電力効率の面の最適化により、一般用途であれば遜色のない使い勝手を実現できる。

 ただ、そのほとんどはファンを搭載しており、多かれ少なかれ騒音が発生する。筐体が小さいゆえに卓上に置いたりディスプレイの後部に設置したりする機会が多いため、余計に騒音が気になるというユーザーも少なくないだろう。

 TENKU BOXは比較的新しいJasper Lake世代のCeleron N5105を搭載し、オフィスやWebブラウジングといった一般用途で十分な性能を実現しながら、ファンレス機構を採用しているのが特徴。稼働中は負荷にかかわらず無音だ。

 ファンレスということで性能が制限されていないか気になるところだと思うが、HWiNFO64で確認したところ、PL2は20W、PL1は8.5Wという値がセットされていた。Intel ARKによるとプロセッサのTDPは10Wとされているので、わずかにダウンしているわけだが、PCMark 10テストの前半はほぼ2.8~2.9GHzで推移し、後半の4コア負荷時も2.4GHzを達成していたので、性能の制限はほとんどない。気になる温度も、PCMark 10実施中は本体上部がほんのり暖かくなる程度だった。

TENKU BOX PC PRO 2022のパッケージ
製品パッケージには本体とACアダプタのほか、VESAマウントキットやHDMIケーブルも付属する
本体前面。電源ボタン、USB 3.0×2、USB 2.0×2、microSDカードスロット、音声入出力などを搭載する
本体背面。Gigabit Ethernet、USB 3.0×2、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、DisplayPort、DC入力を備える
側面にはなにもない(写真は右側面だが、左側面も同様)
天板はハニカムとメッシュデザインとなっている
本体底面の蓋はネジ2本で開けられ、メモリ増設やSSD換装が可能
ゴム足の下にはさらに4本のネジがあり、中にアクセスできる。SATAポートが1基あるが、実質利用はできない

 今回試用したモデルのメモリは8GB、ストレージは128GB SSDとなっており、標準搭載OSであるWindows 11 Proはおおむね快適に動作する。インターフェイスは、背面にUSB 3.0が2基、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub 15ピン、DisplayPort、HDMIを装備。前面はUSB 3.0×2、USB 2.0×2、microSDカードスロット、音声入出力を備える。小型の割にはかなり豊富であり、通常利用で不足することはないだろう。

 動画視聴やWebブラウジング、WordやExcelといった一般作業用はもちろんのこと、リビングのテレビにつないで、常時オンにしてレトロゲームを楽しんだり、外付けのUSB SSDを接続して完全無音のNASとして使ったりと、いろいろな用途が考えられる製品だと言えるだろう。

PCMark 10の結果は2543となっており、Skylakeの低消費電力プロセッサに匹敵するスコアだ
3DMark Time Spyの結果
3DMark Fire Strikeの結果
3DMark Night Raidの結果
3DMark Wild Lifeの結果