PC短評
在宅勤務にストレスフリーをもたらす“AMDイズム”ゲーミングノート「Bravo 17」
2020年6月23日 06:15
エムエスアイコンピュータージャパン株式会社の「Bravo 17」は、“AMDイズム”を掲げた17.3型液晶搭載のゲーミングノートだ。すでに発売されており、実売価格は15万円前後となっている。
本機はCPUに8コア/16スレッドのRyzen 7 4800H、GPUとしてRadeon RX 5500M(GDDR6 4GB)を搭載した“AMDイズム”を掲げたゲーミングノートである。パッケージにも「7nm TECHNOLOGY GAMING LAPTOP」の文字があり、製造プロセス、性能やコストパフォーマンス面など、ほぼあらゆる面でIntelを抜いた近年のAMDの力強さが現れている。
冷却機構には7本のヒートパイプから構成される「Cooler Boost 5」を採用しており、液晶下部と本体左右奥側に熱を排出する。CPU負荷がかかると左側、GPU負荷がかかると右側から集中的にファンノイズが聞こえるので、おそらくマザーボードの配置的にもそうなっているのだろう。負荷時は風切り音のほかに軸音がそこそこ聞こえるのだが、そこまで耳障りというほどでもない。一方、一般的なWebブラウジングなどの処理では高速に回転することが皆無なので快適である。
ゲーミングノートということで、AMD FreeSync Premiumに準拠した最大120Hz駆動の17.3型液晶が搭載されている。搭載されているRadeon RX 5500MのGPUパワーでは、120Hzを引き出すにはある程度画質を落とさなければならない。しかし120Hzは、ゲーム内のみならず、マウスカーソルやWebページのスクロール程度でも、60Hzとの違いは顕著に感じられ、スムーズな体験をもたらす。
解像度は1,920×1,080ドットと余裕があり、表面も非光沢処理されているため、反射や映り込みで画面が見えにくくなってしまうことがない。最大輝度はやや暗い印象だが、視野角が広く色味も正しいため、文句のつけようがない。
本機で弱点に感じられるのはキーボードの配列だ。17.3型という余裕のある筐体を採用していて、フルキーボードを搭載しているのにもかかわらず、Deleteキーやカーソルキーの右はなぜかテンキーのペインにある。また、英語版キーボードフレームの流用で、変換/無変換とスペース、「む」とEnter、「ろ」と右Shiftが同じフレーム内に収まっているのも多少見栄えが悪い。キータッチが筆者的の好みで、ストロークがあるのに素早く反応するタイプだったので、余計残念に思えてならない。もっとも、配列はしばらく使い込んでいくうちに慣れることだろう。
また、17.3の割にはパームレストがやや狭く感じられるのも確かではある。とは言え、この薄型筐体にCPUとGPUの両方を詰め込んでおり、キーボード奥が冷却機構になっているのだから致し方ないだろう。ただ、この機構のおかげで熱がキーボードやパームレストに降りてくることは一切なく、ゲーム中でも快適そのものであった。
気になる性能だが、さすがRyzen 7 4800Hを搭載しているだけあって、PCMark 10では5,672を叩き出した。PCMark 10実行中のCPU動作クロック遷移からわかるとおり、軽負荷時でも最大4.2GHzというクロックを維持していることもあって、とにかく動作はキビキビしている。120Hz液晶や強力な冷却機構とあいまって、普通の作業は快適そのものだ。
レビュー中に本機を妻に見せたところ、「やっぱり大画面は気持ちいいね。なんであなたは(Razer Blade Stealthではなく)これを買わなかったの?」と突っ込まれてしまった。筆者宅の食卓ではスペースが厳しいためあえて17.3型を避けたのだが、それは稀なケースだろう。在宅勤務でストレスフリーに使えるリーズナブルなノートPCを探しているのなら、Bravo 17を有力候補に入れるべきだ。