PC短評
Windows 10 ProとフルHD液晶搭載で約35,000円の14型ノート「KI14HD-NB」
2018年6月13日 06:00
恵安株式会社の「KI14HD-NB」は、OSにWindows 10 Pro、そして1,920×1,080ドット表示対応の14型液晶を搭載しながら、税別店頭予想価格32,800円前後を実現した14型ノートだ。
この価格帯はOSにWindows 10 Homeを搭載したモデルが多く、大企業のドメイン管理下に置かれることは想定していない。ユーザーがProにアップグレードした場合、別途費用が発生してしまう。その点、Windows 10 Proのプリインストールは大きなアドバンテージだ。
SoCにはCeleron N3350(1.1GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリは4GB、ストレージはeMMC 32GBを搭載。このあたりは価格相応であり、必要最低限のレベルをクリアしている。
特筆すべきなのは、2.5インチシャドウベイを1基備えている点。これはネジを2本外すだけでアクセスできる優れものだ。筆者が試したところ、7mm厚の2.5インチSSDやHDDを装着できた(9.5mmは入らない)。内蔵ストレージは32GBと必要最低限だが、別途増設することで可用性は大きく広がると言える。
加えて、1,920×1,080ドット(フルHD)表示対応の14型液晶も特徴。低価格のノートは1,366×768ドットにとどまることが多いのだが、本製品はそれらに比べると情報量が多く、表計算や複数の文書を並べて編集するといった用途に威力を発揮する。液晶の輝度もそこそこ確保されており、色味も落ち着いたもの。長時間見ていて疲れにくく、確かに謳い文句どおりビジネス用途には最適だ。
14型ということもあり、キーピッチは約19mm確保されている。キーは日本語配列となっている点は評価に値するが、Zキーの左に「ろ(_とバックスラッシュ)」キーがあるいびつな配列はいただけない。Enterキーの形状から想像するに、パームレスト面のフレームはJIS配列向けに新規に起こしたものと思われるが、本体の余裕を活かし、通常の配列にしてほしかったところだ。タッチパッドはクリックボタン一体型で、精度はよく、難なく使える。
インターフェイスは、右側面がUSB 2.0、ステレオミニジャック、microSDカードスロット、左側面がDC IN、USB 3.0、Mini HDMI。このほか、IEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth 4.0、200万画素Webカメラも搭載する。通常使用であれば、問題のない範疇だろう。
本体サイズは330×220×21.26mm(幅×奥行き×高さ)、重量は公称で約1.5kgと一般的だが、実測したところ1,257gと公称よりかなり軽かった。実際手にしても1.5kgはない印象で、十分に持ち運べる重量となっている。ACアダプタも小型で重量は114gしかなく、可搬性は高い。
試用感
本体は天板が光沢感の強い紺色、底面が梨地の紺色となっている。全体的にはチープな印象で、天板も指紋のつきが気になるが、価格を考えればこれ以上のことは望めない。
キーボードの奥に電源LED、Caps LockとNum LockのLEDインジケータがあり、これらの状態を把握できるのは良い。欲を言えばストレージアクセスLEDもほしかったところか。
基本的に排気口などが見えない構造で、ファンレスだと見られる。静粛性は高く、どこで使っていても気にならない。筐体が大きく余裕があるため、発熱が気になるようなこともなかった。
キーボードは先述のとおり「ろ」キーがいびつな位置にある以外、19mmのキーピッチが確保されていることもあり、問題なくタッチタイピングできる。キーストロークはこのクラスとしては浅めだが、クリック感はしっかりあるため軽快にタッチできる印象だ。
PCMark 10を走らせたところ、スコアは1,263だった。このクラスとしては標準的な性能であり、WordやExcelといった日常的な業務は難なくこなせるだろう。ただ、やはりCPUアーキテクチャに由来する、複数のタスクを同時に動作させたときの“モッサリ感”は拭えず、たとえばWindows Updateが来たさいは、いろんな操作において一息置く必要がある。
とは言え、そこはWindows 10 Pro。たとえば企業内で大量に導入し、事務処理が終わった深夜や週末にWindows Updateが走るようスケジュール管理しておけば、昼間にユーザーがストレスに感じることはほぼないだろう。