西川和久の不定期コラム

KOUZIRO「FRNDVIHDA5/D」
~15.6型フルHD液晶とCore i3搭載で56,800円!



 10月21日、株式会社KOUZIROは15.6型フルHD液晶パネルを搭載した2スピンドルスタンダードノートPC「ND」シリーズを発表、出荷を開始した。ランナップとしては3モデル用意され、その中のバリューモデルが編集部から送られてきたので、試用レポートをお届けする。


●ベーシックな15.6型2スピンドルノートPC

 今回発表のあったモデルは「スタンダードBlu-rayモデル」、「スタンダードモデル」、「バリューモデル」の3タイプ。違いは光学ドライブ、プロセッサ、メモリ、HDDで、それぞれ順にCore i5-2430M/4GB/750GB/Blu-ray Disc、Core i5-2430M/4GB/500GB/DVDスーパーマルチドライブ、Core i3-2330M/2GB/320GB/DVDスーパーマルチドライブとなる。液晶パネルやネットワークなどは全モデル共通だ。価格は74,800円/64,800円/56,800円。

 またBTOにも対応しており、Windows 7の全SKU、プロセッサはCore i3-2330M/i5-2430M/i5-2520M/i5-2540M/i7-2640M、メモリ2GB~8GB、HDD 320~1TB/SSD 80GB~120GBなど、幅広くカスタマイズが可能になっている。

 今回届いたのは最もベーシックな「バリューモデル」。主な仕様は以下の通り。

【表】KOUZIRO「FRNDVIHDA5/D」の仕様
CPUIntel Core i3-2330M
(2コア/4スレッド、2.20GHz、キャッシュ3MB)
チップセットIntel HM65 Express
メモリ2GB(2GB×1)DDR3-SDRAM
PC3-10600(最大8GB)/2スロット空1
HDD320GB(5,400rpm)
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
OSWindows 7 Home Premium(64bit)SP1
ディスプレイ15.6型フルHD液晶ディスプレイ(光沢)
1,920×1,080ドット
グラフィックスIntel HD Graphics 3000、HDMI、ミニD-Sub15ピン
ネットワーク Gigabit Ethernet、IEEE 802.11b/g/n
その他USB 3.0×2、USB 2.0×1、
メモリカードスロット、音声入出力
サイズ/重量374×248×36.2mm(幅×奥行き×高さ)/約2.5kg
バッテリ駆動時間約3.6時間
価格56,800円

 プロセッサはIntel Core i3-2330M。2コア/4スレッドでクロックは2.20GHz、キャッシュは3MB。i3なのでTurbo Boostには対応していない。チップセットはIntel HM65 Express。メモリは2GB×1で2スロット中1つは空きとなる。グラフィックスはCPU内蔵のIntel HD Graphics 3000。OSは64bit版Windows 7 Home Premium SP1を搭載する。Windows 7そしてメモリ共有のGPUと言うこともあり、2GBと言うのは用途によってはメモリ不足になる可能性がある。

 液晶パネルはLEDバックライト式15.6型フルHDで1,920×1,080ドット。このサイズのパネルを搭載したノートPCでHD解像度のものも多く、フルHD対応はポイントが高い。またHDMIとミニD-Sub15ピンの出力を備えているので、ディスプレイへの接続も可能だ。

 HDDは5,400rpmの320GB、光学ドライブはDVDスーパーマルチドライブを搭載している。更にUSB 3.0が2ポートあるので、外部ストレージに高速でアクセスでき、デスクトップ代わりに使うにしても拡張性は高い。

 ネットワークは、有線LANがGbE、無線LANがIEEE 802.11b/g/n。Bluetoothは非対応だ。インターフェイスは先のUSB 3.0×2に加え、USB 2.0×1、メモリカードスロット、音声入出力とオーソドックスな仕様だ。

 サイズは374×248×36.2mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約2.5kg。パネルサイズが比較的大きいだけにモバイル用途には向かないものの、主にデスクトップ代わり+室内での移動に使うのであればフットプリントは小さい。バッテリ駆動時間は最大約3.6時間。

 価格は56,800円。USB 3.0×2、2スピンドル、15.6型フルHD液晶、Core i3搭載と考えると、コストパフォーマンスは高いと言えよう。

天板。光沢ブラック。細かい横縞の模様が入っているがパッと見は黒のように思える正面手前中央にHDDアクセスLEDなどが並ぶ。スピーカーは側面で斜め下に向いている底面。ネジ4本外すと簡単にパネルが開くため、HDDやメモリへアクセスするのは容易だ
左側面。Gigabit Ethernet、音声入出力、メモリカードスロットアイソレーションタイプのテンキー付きだ。一部ピッチが狭いものもある右側面。手前にUSB 2.0×1、DVDスーパーマルチドライブ
キーピッチは実測で約18.5mm。スペック上は18.4mmとなっているACアダプタのコネクタはミッキータイプ。バッテリは11.1V、4,400mAh/49Wh背面。ロックポート、電源コネクタ、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 3.0×2

 筐体は、側面と裏側以外は全て光沢タイプの黒。よく見ると細かい横縞の模様が入っているが、パッと見はブラックとなる。スタンダードタイプの2スピンドルノートPCなので、極端に薄いわけでもなく、特別カッコイイわけでも無いが、無難な雰囲気で飽きのこないデザインだ。

 裏側のパネルはネジ4本で簡単に外すことができ、メモリやHDDのアクセスは容易。特にこのバリューモデルはメモリが2GBで、+2GBの計4GBにするケースが多いと思われるだけに、この点は嬉しい限り。

 15.6型の液晶パネルは光沢タイプ。最高輝度は結構眩しいほど明るい。発色は若干派手気味で高コントラスト、sRGBに割りと近く、視野角も狭くない。価格を考えるとなかなか良いパネルではないだろうか。

 キーボードはテンキー付のアイソレーションタイプだ。「<」、「>」、「?」キーなど一部キーピッチが狭くなっているものもあるが、筐体のサイズが大きい分、ゆったりとしている。ただし、個人的にはキーボード中央を押すと全体がたわむのが気になった。

 パームレストとタッチパッドは十分広く、快適な操作が可能。物理的に2つあるボタンも、軽過ぎず重過ぎず適度なクリック感がある。

 後ろに電源コネクタ、ミニD-Sub15ピン、HDMI出力、USB 3.0×2がまとまっているのは、デスクトップPC代わりに使う時に、ケーブル類が目に付かず扱い易いレイアウトだ。

 サウンド関連は最大音量は十分だが、音質は何か筒の中から出ているような感じでちょっと癖がある。中域が妙に強調されているような雰囲気だ。改善して欲しい部分ではあるものの、15.6型のフルHD液晶パネル搭載と言うこともあり、外部にそれなりのスピーカーを接続し、映像を楽しむのもありだろう。

●シンプルにまとまったCore i3搭載機

 OSは64bit版Windows 7 Home Premium SP1。デスクトップは左側にいくつかのショートカット、そして画面中央、少し上にある★のアイコンが後述する「S-Bar」だ。特別カスタマイズされている部分は無く割とあっさりしている印象を持つ。

 HDDは5,400rpmの320GBでキャッシュ8MBの「WD3200BPVT」を搭載。C:ドライブのみの1パーティション。約297GBが割り当てられ、初期出荷状態での空き容量は約281GBとなる。光学ドライブは「UJ8A0AS」が使われていた。

 ネットワーク関係は、「Atheros AR9285 Wireless Network Adapter」と、「Realtek PCIe GBE Famil Controller」。USB 3.0はルネサス製。その他、Intel HD Graphics 3000も含め、第2世代Core iプロセッサ搭載ノートPCとしては標準的な構成だ。

起動時のデスクトップ。左側には、「KINGSOFT Office 2010 30日体験版」などのショートカット。中央少し上にある★のアイコンは「S-Bar」HDDは5,400rpm/320GB/キャッシュ8MBの「WD3200BPVT」。ネットワークは「Atheros AR9285 Wireless Network Adapter」と「Realtek PCIe GBE Famil Controller」HDDのパーティションはC:ドライブのみの1パーティション。約297GBが割り当てられている

 プリインストール済のアプリケーションは、「ウイルスバスター2011 クラウド 90日間期間限定版」、「KINGSOFT Office 2010 30日体験版」、「CyberLink Media Suite 8 DVD for KOUZIRO」、「Windows Live」、「J-word」など。BTOで「Microsoft Office」も選択可能だ。

 本機に特化したツール類は特に見当たらず、あえてあげるとすればデスクトップ上の★をクリックするとシンボライズされたメニューを表示する「S-Bar」と、「FRONTIER省エネ支援ツール」程度となる。前者は、画面キャプチャからも分かるように、主にファンクションキーでコントロールできる、音量や輝度、電源モード、Wi-Fi、タッチパッドの設定などが、画面上でビジュアルに行なえるものとなっている。

S-BarUSB 3.0ホストコントローラ情報指検出パッド・コンフィギュレータ
CyberLink MediaShowCyberLink Power2GoCyberLink PowerDVD 9

 ベンチマークテストはWindows エクスペリエンス インデックスとCrystalMark、BBenchの結果を見たい。

 Windows エクスペリエンス インデックスは、総合 4.7。プロセッサ 6.5、メモリ 5.5、グラフィックス 4.7、ゲーム用グラフィックス 6.1、プライマリハードディスク 5.9。メモリが2GBと少ないために、メモリとグラフィックス系のスコアが若干落ちているものの、第2世代Core i3プロセッサを搭載したノートPCとしては平均的なスコアだ。

 CrystalMarkは、ALU 33208、FPU 32785、MEM 23601、HDD 10991、GDI 10612、D2D 1365、OGL 2026。こちらもWindows エクスペリエンス インデックス同様、Core i3だと言って極端にCore i5やi7と比較して遅いことはなく、一般的な作業をするなら問題無いパフォーマンス。

 BBenchは、省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでの結果だ。バッテリの残3%で12,877秒(3.5時間)。スペック的には約3.6時間とあるので、ほぼその通りとなった。用途を考えると十分な駆動時間だろう。

Windows エクスペリエンス インデックスは総合 4.7。プロセッサ 6.5、メモリ 5.5、グラフィックス 4.7、ゲーム用グラフィックス 6.1、プライマリハードディスク 5.9CrystalMarkは、ALU 33208、FPU 32785、MEM 23601、HDD 10991、GDI 10612、D2D 1365、OGL 2026BBenchの結果。省電力モード、バックライト最小、キーストローク出力/ON、Web巡回/ON、WiFi/ONでの結果だ。バッテリの残x%で12,877秒(3.5時間)

 以上のようにKOUZIRO「FRNDVIHDA5/D」は、Core i3プロセッサ、15.6型フルHD液晶、そしてUSB 3.0を搭載した2スピンドルノートPCにも関わらず、価格は56,800円とコストパフォーマンスは高い。メモリやHDDが容量不足になった時も簡単に増設できるため、後々にも安心だ。

 少ない予算で第2世代Coreプロセッサを搭載した、スタンダードな高解像度ノートPCを探しているユーザーの好適な1台と言えよう。